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★2014年7月19日【大自在】
〈もし民主主義が国家の基本則であって、みせかけだけのごまかしでないのならば、
国民は真実を知る権利があって、当然その権利を実現するための知る努力を必要とする〉
▼沖縄返還をめぐる日米の密約を取り上げた作家沢地久枝さんの「密約」。
故五味川純平さんの文庫版の解説はこう続く。〈日本では、残念なことに、
事は概[おおむ]ねこうはなっていないのである〉
▼大河小説「人間の条件」などで「国家の犯罪」を告発し続けた五味川さんの指摘は、
40年近くを経過した現在も当てはまるようだ。沢地さんも原告の一人となった
密約文書の公開請求訴訟。最高裁は原告敗訴の二審判決を支持し、上告を退けた
▼「密約はない」とうそを重ねた上、こっそり密約文書を廃棄した疑いのある政府の
責任を不問に付した。そればかりではない。政府が「ない」と言い張る文書が「ある」
のを証明するのは、公開を求める国民の側の責任とした
▼「民主主義が国家の基本則ではない」と告白したにも等しい判決だろう。
法の番人の裁判所が「現行制度はそうなっている」と言うのなら、欠陥の手直しが
不可避になる。だが、文書がない理由を調べるそぶりすら見せない政府は、
情報公開法の改正など全く念頭にないようだ
▼五味川さんは、「知る権利」が実現されていないことが〈常習的に国民をないがしろにし、
愚弄[ぐろう]することに優越感を覚えるかのような〉官僚がはびこる理由だと書いた。
特定秘密保護法の施行も迫る。不都合を国民に隠したい官僚組織には、
ますます勝手がよい世の中になる。
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