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※以下は2009年11月8日の読売新聞記事です。
・世界に先駆けてiPS細胞を作製した京都大の山中伸弥教授は研究、講演、政府との折衝と、日々
めまぐるしい忙しさだが、欠かさないことがある。毎月の渡米だ。
行き先は米カリフォルニア大サンフランシスコ校内にあるグラッドストーン研究所。狙いは「研究の最新情報を
仕入れること」。国内にいるだけでは激烈な研究競争に勝てないという危機感が後押しする。
同研究所の研究スタッフは350人。最新の実験機器に加え、博士号を持つ技術員や知的財産権の
専門家らをそろえた手厚い陣容が、世界各地から集まる研究者を支える。
年間予算は60億円。連邦政府や州が拠出するほか、研究所の持つ基金や一般からの寄付で成り立っている。
これに対し、山中教授が率いる研究室の昨年度の研究費は、文部科学省や科学技術振興機構などからの
助成金をかき集めても約16億円。この中には他大学との共同研究費も含まれる。
山中教授がトップを務め、山中研究室も入る京大iPS細胞研究センターも、学生や事務職員まで含めて
140人余の陣容だ。
日本が再生医療分野に投入するのは年200億円ほど。米国では、国立衛生研究所だけで年940億円の
予算を組み、複数の大学や研究機関に配分している。
けた違いの投資をする米国に対抗し、内閣府は今年9月、最先端研究開発支援プログラムを発表した。
山中教授のグループには研究費として手厚い予算が割り当てられる見通しだが、事はそう単純ではない。
山中教授への一極集中投資を疑問視するのは、米ハーバード大研究員も務める東京大の森口尚史特任教授だ。
「iPS研究には、化学や数学など幅広い分野の研究者の参画が欠かせない。限られた研究者に資金が集中すれば、
研究の遅れを招く」
戦略の無さは結果に表れている。7月にスペインで開かれた再生医療分野の国際学会。米国の発表件数は500件
以上だったのに対し、日本からは100件余。先頭を走っていたつもりの日本が今、周回遅れのランナーになりつつある。(抜粋)