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それではOct4-GFPの発現とは何かを簡単に説明しよう。
遺伝子とは我々の体の設計図であり、驚くことに一つひとつの細胞が完全な設計図を持っている。
しかし、多くの遺伝子が何もしておらず、実際に働いているのはその一部だけだ。
遺伝子が働くとはどういうことなのか? それは具体的には様々な種類のタンパク質やRNAを合成していくことなのだ。
こうして実際に遺伝子の情報が細胞における構造や機能に変換されることを「発現」という。
Oct4とは幹細胞の自己複製と密接に関連しているタンパク質である。
ちなみに、iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、Oct4など4種類のタンパク質を合成する遺伝子(ヤマナカファクターと呼ばれている)をすでに分化した体細胞に注入して初期化することにより万能細胞を作り出しているのだ。
Oct4発現とは、細胞内にこのタンパク質ができていることを示し、それは万能細胞であることの必要条件のひとつになる。
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