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STAPシンドローム
2014年初頭、日本を代表する研究機関のひとつである（故）理化学研究所発生・再生科学総合センター（通称 : 理研CDB）
が発表した新型多能性幹細胞に関する論文に端を発した、市民の人心模様の混乱を指す社会現象。外来刺激に細胞を晒すこ
とで容易に多能性を獲得するという衝撃的な発見が権威ある科学誌「Nature」に掲載され、筆頭著者が若い女性研究者であ
ることも当時の日本の世相と相まって、メディアに大々的に報じられたことで、科学界だけでなく多くの一般国民の関心を
惹き付けることになった。程なくして、再現実験成功の報告が一向にあがらないことから、多くの研究者からの実験データ
への疑いが高まり、捏造の実態が明らかとなった（下記参照）。早期に解決すると思われたこの騒動は、大方の予想に反して
長期に渡る調査を必要とし、新しい情報が報じられる度に各メディアの誤報も相次ぎ、専門分野であることも重なって、国民
の感情は何を悪とするかで揺れ動いた。この外からの些細な刺激（情報）により一度固まった考えがリセット（リプログラム）
され、また繰り返す様が論文で示唆されていたSTAP細胞に似ていることから、STAPシンドロームと呼称された。
ホラフキン, O. 著「それでも悪意でやってない」
リケンニスタ, I. 著「シンプルなミステイク」
コスナー, S. 著「放棄されたミッション」
カッシーナ, U.. 著「破滅の時を刻む遺伝子」