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>>269 続き
土井氏 大切なのは研究者同士のコミュニケーションだ。研究では、目指
す方向性にそぐわない研究結果が出るなど様々な事態が起きる。私は社内の
若手に「悪いことほど早めに相談しなさい。うまく行かない時は早く助けを
求めなさい」と話している。上司や仲間に相談しやすい環境をつくっている
かどうかが不正防止に大きく影響する。
問題が起きると誓約書を取ったり、監視を強めたりといった対応に走りが
ちだが、過剰な負担を強いる対策は形骸化するうえ、本来やるべき研究がで
きなくなる。ITを活用した効率的な監査など工夫が必要だろう。
調氏 企業や研究機関が連携する研究は今後も増える。そうした研究を監
視する組織は日本にはない。米国では国の資金が入った研究活動を監督する
行政機関「研究公正局(ORI)」を設置しているが、それも正しい判断が
できるとも限らない。本来は研究機関が自浄作用を発揮すべきで、日本でも
常設機関が必要かどうかを含めて議論が活発になるだろう。
おおにし・たかし 工学博士。東大大学院工学系研究科教授などを歴任。
2011年10月から現職。専門は都市計画、社会システム工学
しらべ・まさし 科学技術データ分析や公共技術のガバナンスを研究。
科学技術社会論学会理事。専門は科学計量学と科学技術社会論
どい・みわこ 東大修士課程修了、工学博士。1979年東芝入社。情報処
理学会副会長などを歴任。専門はヒューマンインターフェース