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キメラマウスの細胞のT細胞受容体遺伝子を解析したデータなど、一度分化したT細
胞からSTAP細胞が樹立されたというこれ以上の証拠は論文に掲載されていなかったも
のの、前述した部分を読んだ多くの研究者は、分化しきった細胞の代表格であるT細胞
が、多能性を獲得したのではないかと考えた。
しかしその後公表されたプロトコルでは、CD45陽性のリンパ球由来のSTAP細胞から
複数系統のSTAP幹細胞を樹立し、そのうち8クローンを調べたところ、「いずれにも
T細胞受容体遺伝子の再構成は認められなかった」と記述されていたのだ。解析したの
は8クローンだけのため、より多くのクローンを調べれば再構成が確認できる可能性は
あるほか、作製したSTAP細胞には再構成が見られたものの、培養して増殖能を持たせ
たSTAP幹細胞には再構成がなくなったという可能性もゼロではない。「しかし、両者
の記述を素直に読むと、矛盾しているとしか考えられない。プロトコルを読んで唖然と
した」とある研究者は打ち明ける。
もっとも、論文に関しては画像の転用や誤用、他論文からの無断引用など、疑惑が次々
と表面化。2014年3月11日には、理化学研究所が論文の撤回を視野に入れていると表明
した。「そもそもSTAP細胞は実在するのか」といった声も出ており、「もはやT細胞受
容体遺伝子云々の問題ではない」と話す研究者もいるのが実情だ。
※この記事は、日経バイオテクONLINEから転載しました。