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【Q】TCR(T細胞受容体)の再構成とは?
【A】
リポート◎理化学研究所「Nature誌掲載論文の撤回も視野」 STAP細胞論文、最大の矛盾点は“T細胞受容体遺伝子の再構成”
URLリンク(medical.nikkeibp.co.jp)
2014/3/13 久保田 文=日経バイオテク
様々な疑義が指摘され、論文撤回の動きも出てきたSTAP細胞。多くの研究者が指摘
している最も大きな矛盾点は、T細胞受容体遺伝子の再構成について、Nature誌の論
文の記載と、2014年3月5日に公表されたプロトコルの説明とが異なっていることだ。
Nature誌のSTAP細胞の論文の概要はこうだ。CD45陽性のリンパ球を37℃・pH5.7
の弱酸性溶液で25分処理後、多能性細胞の維持・増殖に必要な増殖因子であるLIFを
含む培養液で培養すると、多くの細胞は死滅するものの、残った生存細胞の30%から
50%がOct4陽性細胞に変化。細胞は多能性マーカーであるSox2やSSEA1、Nanogな
ども発現していたほか、マウスへの皮下移植で三胚葉に分化した。さらに、マウス胚
盤胞に注入してマウスの子宮に戻すと、キメラマウスが作製でき、STAP細胞の多能性
が証明できたとしている。
その中で、矛盾点が指摘されているのは、T細胞受容体遺伝子について解析した部分
だ。T細胞は分化するとT細胞受容体遺伝子に特徴的な組み換えが起こるため、その遺
伝子に再構成が認められれば、一度T細胞に分化していたことの証拠となる。当初論文
では、Oct4陽性細胞の細胞塊のT細胞受容体遺伝子についてPCR法で解析したところ、
遺伝子の再構成が確認され、特定のT細胞が何らかの関与をしていることが示されたと
記述。Oct4陽性細胞は、ストレス耐性の細胞だけが選択されて生き残ったわけではな
く、弱酸性溶液処理によってCD45陽性のリンパ球から新たに生み出されたと考えられ
ると考察されていた。