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STAP論文の
「ESは胎盤になれないが、STAPは60%の確率で胎児&胎盤に同時寄与できる」
に対する疑義
932 名前:名無しゲノムのクローンさん[] 投稿日:2014/03/01(土) 16:08:59.92
著者らは「驚くべきことに、注入されたSTAP細胞は胎児だけでなく胎盤や胎児膜にも60%のキメラ胎児において寄与していた
(図1bおよび拡大データ図1a)」と主張しており、胎生12.5日のキメラ胎児の解析データを示している。残念なことに、
野生型のES細胞を胚盤胞に注入して作成したキメラ胎児を胎生12.5日に観察すれば、この結果(60%の割合で胎盤への寄与
が観察される)は当たり前の事である。なぜなら胎盤内に存在する血管や卵黄嚢の中胚葉系の細胞はES細胞に由来する
胚盤葉上層の細胞から発生してくるからである。より一般的なキメラの形成とキメラ内に存在する細胞の発生学的なリミットと
分布について知りたければ、「Mouse phenotypes: a Handbook of mutation analysis(マウスの表現型:ミュータント解析のハンドブック)」
(Cold Spring Harbor Press 第8章の特に囲み記事8.3)を参照してほしい。むしろ私にとって意外なのは、彼らのキメラ(図1aおよび1c)
において、GFPを発現するES細胞(Rosa26GFPあるいはCAG-GFPライン)を胚盤胞に打ち込んだ際にできたキメラにおいて、それらが
全く胎盤(その中の胎児血管)や卵黄嚢(その中の中胚葉組織)に由来する蛍光シグナルを発していない、という点なのである。
GFPシグナルの強さはどれだけキメラへのES細胞の寄与率が高いかによって決まる。私の感覚では、図1aに彼らが見せているような
GFP陽性細胞の寄与率が非常に高いキメラの場合には、胎盤や卵黄嚢に存在する胎児血管に由来するGFPのシグナルが非常に強く出る
はずなのである。私にとって本当に説明が見つからないのは、なぜ対照群のES細胞で作成したキメラ50個の全てにおいて胎児組織のみに
ES細胞が限局しており、胎児外間葉系組織への寄与が全く起きていないのか、という点である。