エクソシスト スレッド 3at KINEMA
エクソシスト スレッド 3 - 暇つぶし2ch250:無名画座@リバイバル上映中
12/07/14 10:46:05.60 Jh5dMFg+
「エクソシスト」でウィリアム・ピーター・ブラッティが、神と悪魔というふたつのメタファを通して浮かび上がらせようとしていた人間存在の本質。

原作を読むと、彼のタ-ゲットは神がいるか、いないか、悪魔が実在するか、否か、そんな形而上学的議論はどうでもよくて、善を希求しながら平気で悪を成す矛盾の塊、この人間とは一体何なのか、その一点に目を向けていたように思う。
神と悪魔は、あくまで人間存在の深淵に迫るためのダシに過ぎなかったのだと・・・。

悪魔は人間の一番弱いとことを突く。

カラスの弱点は孤独のまま死なせてしまった母への後悔。
メリンの弱点は完璧な強さに潜むやさしさ。

狡猾な悪魔パズズはこれを利用し、巧く二人を分離することに成功する。
作品終盤、悪魔との壮絶な戦闘場面。
カラスが母の幻影を見せられ弱体化したことで戦闘不能と判断したメリンは、彼が戦場を離れることを許した。

この時点で勝負がついた。

悪魔は決して協力し合わない。
だが、人間は力を合わせ、お互いに協力し合い、一人では成し得ないことを達成できる。
それが、悪魔にできない人間の最大の武器なのだ。

心臓が限界を超えたメリンは、悪魔との戦いで絶命する。

狡猾なパズズが、なぜかここで一瞬油断する。
宿敵メリンを打破った悪魔パズズは、リーガンの身体を通して不敵な笑みを浮かべる。

将軍メリンを殺し、残ったのは雑兵カラスのみ。
抜け殻状態のカラスを一緒に殺してやろうか、あるいは悪霊を住まわせて操ってやろうか。

だが、ここでカラスの信仰が復活する。
悪魔を憑依させたと同時に追払い、自身は窓から階段へ身を投じる。

フリードキンの解説で引用された
「天と地との間には人間の哲学では及ばないものが存在する(シェークスピア『ハムレット』)」

敬虔という目があれば見えるものを…。
敬虔とはまだ見たことのないものを受け入れること。

無神論者の俺が言うのもなんだが、形而下学的視点からしか世の中を見れなくなると、世界が薄っぺらくなり、柔軟性や寛容性が失われる。

信仰を持てとは言わないが、敬虔さがもう少し人の心にあってもいいような気がする。


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch