09/09/19 03:13:29 0
まあ、ダイヤモンドの論旨の中でも、
中国とヨーロッパの比較というのは、あまり「ネタ選択」の筋がよろしく無いからな。
古典古代以来、ヨーロッパというのは
共和政都市国家を理想の雛型とする傾向が強い、きわめて特殊な地域で、
オリエント的大帝国を、社会の規範的な理想として拒否する。
(ここで人間ドラマくんは、「ローマ帝国」を思いつくのだろうが、
これは致命的馬鹿である。理由はめんどくさいので述べない。
「文系の」大学1年生の基礎教養だ。)
これは中世であっても、完全に忘れ去られることはなかった。
だが、このことは、人類学ではなく、そのまま伝統的政治学の分析対象なので、
素直に、文系の王道としての「政治思想史」として分析すればよい。
政治や法制度の規範的思想と制度設計の問題だから、
「人間ドラマ」なんてものは出て来ない。
本当の文系学問は、ゲーム脳の妄想のおよぶような「人間ドラマ」とは無縁だ。
ダイヤモンドは、ヨーロッパを中国の比較対象とするのは間違いだった。
トッドと同じで、政治学の王道に、人類学を持ち込むのは筋が悪い。
中国の比較対象となるのは、おそらく中東だ。
中東は分裂的、中国が統合的という大きな傾向がみられるのはなぜか。
これは、中国(支那世界)が、地理的に孤立していたからだろう。