09/08/30 14:37:05 0
>>237
いや、ざっくり「乾燥地帯」というのは雑すぎるよw
現在のパンジャブ地方を中心とするインド北西部は、
一言で言えば、「塩害の無いメソポタミア」といってよい。
「塩害を回避できるオリエント式麦作地帯」という、非常に恵まれた地域だ。
夏にモンスーンの雨がそれなりに降るので、塩害をかなり回避できる。
しかし夏の雨を使って雑穀を栽培するのではなく、
「冬の雨を使って麦を栽培する」ここがポイントだ。
インド北西部は、乾季の冬場でも多少雨が降る。この雨を使って麦を育てる。
(現在では灌漑主体だがね)
この雨は、地中海方面からの低気圧によるもので、イタリアなどでは大雨となるが、
イスラエルやイラクに冬場の貴重な雨をもたらす。
その最後の残りかすが、インド北西部にまでやってくる。
余談になるが、この気圧の谷が、台湾沖で水蒸気を得て復活して低気圧となり、
日本付近に進んでくると、関東南部などで2月のドカ雪が降ることになる(南岸低気圧)。
西日本では春先の雨となることが多く、
中世以来、近畿をはじめ西日本で盛んだった裏作の麦を育てる重要な雨だった。
イタリアから日本まで、麦を育てる雨は、実は同じ気圧の谷によるもの。