09/02/05 22:20:02 0
最近、熱にうかれたように読んでいるのが、佐藤優「交渉術」。1月末に出版されたばかりなのに、
文春読者賞・新潮ドキュメント賞・大宅壮一賞・毎日出版文化賞を受賞していることにピンと来る
ものがあった。小説20冊分くらいの情報量がある。貴重な外交史の証言が詰まっていながら、ビジ
ネスマンにとっても最強の実用書になっている。
デールカーネギー「人を動かす」のように、読んだ人とそうでない人に差がつく本だ。古典的な
名著になって読み継がれていくことだろう。米原万理さんとの交遊録も貴重だ。これまで知られて
こなかった彼女の裏の顔を紹介している。米原さんは政治家の通訳を長年勤めた結果、口外できな
い秘密を抱え込むことになった。彼女の本が、きれい事しか書いていないことがよくわかった。
佐藤氏は本来活字にしてはいけないことを実名をあげて書いているので、読者から熱狂的に歓迎さ
れたのはわかるが、身の安全は大丈夫なのだろうか。米原さん亡き後、ロシア事情を解説してくれ
る稀有の人だから、どうか天命を全うしてほしいと願わずにはいられない。