09/02/13 03:54:26 0
>>569
多分、映画のうえでのフィクションだと思う。
ただ、テムジンが捕われたとか他の人物が幼少時代に敵対する勢力捕われたりした、
って話は一応記録にある。(またちょっと長くなるので予め失礼)
後のチンギス・カンことテムジンの場合、良く知られている通り、テムジンの父イェスゲイが
没した直後、テムジンたちキヤト氏族に代わってモンゴル諸部族の覇権を握ったのはキヤト氏族の
遠縁にあたるタイチュウト氏族だった。タイチウト氏族の首長はタルグタイという人物で、
彼は成長したテムジンを警戒しやがて勢力を盛り返す前に虜にしてしまおうと侍衛たちに
テムジン一家の幕営地を襲撃させた。テムジン兄弟は迎撃したりして山中に隠れたが、
結局テムジンは捕縛されたという。
少年テムジンは首木に手枷をはめられタイチウト氏族の幕舎に捕われたが、宴会が散じたの
隙を突いて逃げ出した。追っ手のかかったテムジンが身を伏せているとタイチウト氏族の
家人だったソルカン・シラという人物が機転を利かせて匿い、タイチウトからの追っ手が
来ても知らぬ存ぜぬを押し通して、ついにテムジンを逃がれることに成功した。
後にタイチウト氏族がキヤト氏族をほぼ手中にしたテムジン勢と交戦した時、テムジン勢に
ソルカン・シラや後の西方遠征で活躍するジェベなどが帰順して来たというが、少年時代の恩義と
タイチウト氏族との戦での帰順を嘉賞され歓待された。その後ソルカン・シラのスルドス部族は
モンゴル帝国の譜代の中核部族として勃興して行く。これらの事は『元朝秘史』は勿論、『集史』
スルドス部族誌、『聖武親征録』なんかに出て来る。(勿論、西夏は全く関係がない)
他の話としては『元朝秘史』巻五などによると、ケレイト王国のオン・ハンは幼少頃メルキト部族の
襲撃を受けて虜となり、メルキトの本拠地であったセレンゲ河畔で七歳まで臼を突かされるような
境遇あったそうで、父親のクルチャスク・ブイルク・ハンがメルキト勢を撃ち破りやっと救助された
んだそうな。