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実際、本当の人の幻影は、大部分が死んだ人には関係なく、生きている人に関係があるよ
うに思える。本書にも登場する有名な18世紀のコック・レーンの幽霊は帰ってきた霊の範疇に入
ると思われるかもしれないが、ほとんどのポルターガイスト現象は、思春期以前の人や不安のあ
る人に集中して起きるようだ。そのほかの幽霊は、地球外の生命の存在を信じたい人々が
頭の中ででっち上げた希望の所産である。
私は、イングランド・サフォーク州の有名なボーリー司祭館の幽霊はその例の一つだと確信している。
その司祭館の19世紀の当主は、自分の娘や教区民に、司祭館の建物や庭に幽霊が出現する
ことを好んでしゃべった。そして、彼の娘たちがその話を水増しした。その後さらに、別
の司祭の頭のおかしい妻が館で幽霊事件を演じた。その結果、大衆紙が興味を持ち、幽霊
研究家として有名だった故ハリー・プライスに調査を依頼した。ところが、しっかりした事実と
いう点になると、プライスは高潔な人ではなかったことが、今日では疑問の余地がないほどは
っきりしている。彼のボーリーに関する著書と記事は、うす汚い司祭館をイングランドで幽霊が最
もよく出没する屋敷として宣伝したが、1950年代に英国心霊研究協会の3人の優秀な研究
員がプライスの報告を綿密に調査したところ、プライスのでっち上げ以外の何者でもないことが
判明した。
それでも、ボーリー司祭館のあった屋敷はいまだに巡礼の対象地になっていて、世界各国から
アマチュア幽霊研究家がやってくる。