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反日拡大 露、戦勝記念日法制化も 「北方領土占領は侵略への罰」
【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのミロノフ上院議長は二十九日、訪問先のサハリン州で、
第二次大戦で日本が降伏文書に調印した翌日に当たる九月三日を対日戦勝記念日として
法制化する必要があるとの考えを示した。ロシアは戦勝国であり歴史の見直しはしないとの
姿勢を打ち出すプーチン政権率いるロシアの指導層は、「侵略国」日本の歴史認識に反感
を募らせている。
ロシア通信によると、ミロノフ議長は、サハリン州の州都ユジノサハリンスクで記者団に
「六十年前にロシア国民は偉業を成し遂げた。その日を勝利の日に加える必要がある」と
主張。祝日となっていないのは「政治的な理由によるもので、日本に対する勝利はわが国に
とって明確な歴史上の事実だ」と強調した。
同議長はそのうえで、中国・旅順を訪問し、中国解放作戦で戦死した約一万千人の
ソ連軍将兵と、日露戦争での犠牲者約二万人が埋葬される同地の墓地を訪れたことを
明らかにした。
これに先立ち、政権与党「統一ロシア」のグリズロフ下院議長も二十一日付の週刊紙
「論拠と事実」で、日本は「南京大虐殺や細菌戦争を初めて行った非人道的な侵略国だった」
として、一九四五年八月に日ソ中立条約を破り対日参戦し「世界を救った」スターリンの行為
は正当であり、北方領土占領は「五十年以上の侵略行為への罰だ」との見解を示した。
同議長はさらに、「南京では、日本軍に三十万人以上の民間人や軍人が虐殺された」と
述べ、中国側の歴史認識に同調する姿勢を示した。
(つづく)