05/09/05 19:29:53 0
他の地域では人外のモノが人間を食う物語。
シナでは普通の人間が人間を食う物語。
ヨーロッパにも一応こんな話がある。
(グリムでもなくアンデルセンでもなく、実話らしいのだが。)
貧しい農家に生まれた少年が、村から都市に逃げ込んだ。
やがて自由の身となった彼はその都市で働き始めた。
商才があったのだろう。
およそ二十年後には、都市の代表となるくらいの立派な商人となっていた。
しかし、歳を重ねる毎に貧しい村に残してきた家族への想いがつのる。
年老いたであろう父母や幼かった妹はどうしているだろうか?
彼は身分や氏素性を隠しひとりの旅人となって、こっそりと彼らの様子を窺いに行った。
貧しいながらも、家族の皆は元気でやっているようだ。
やがて日が暮れ、旅人として元の家に泊めてもらおう。
そして機を見て素性を打ち明け、家族皆を都市に招こう、と彼は心に決めた。