07/06/21 14:26:57
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日本で経営者として成功した辛格浩は日韓国交正常化以降、韓国に対する投資を進めるべく
1967年のロッテ製菓を初めとしてホテルロッテ、ロッテショッピング、湖南石油化学などを
相次いで創業、吸収合併してきた。2002年現在、グループ会社41社、従業員4万5千人、資産総額30兆ウォン、
年間売上総額30兆ウォンの企業グループとなっている。
韓国への投資額は現在までに50億ドルに達し、それまで韓国においては未開の状態であった
食品、流通、レジャー産業を開拓し、現代化のパイオニアとなった。
またそこからの利益はすべて韓国内で再投資されている。
特に1997年末、韓国経済が通貨危機によってIMFの管理下に置かれた際にも財界人として
2千万ドルの出資と5億ドルの外貨投入によって国内外の注目を浴びた。
口数は少ないものの会長として緻密で慎重な経営を行っており、
囲碁とゴルフ、毎朝の庭の手入れが趣味で、徹底的な自己管理のもと旺盛な活動を行っている。
辛格浩は1922年10月4日、慶尚南道蔚山三南面トゥンギ里にて5男5女の長男として生まれた。
勉学を熱望した彼は植民地時代の1942年、関釜連絡船にて渡日し新聞や牛乳の配達などをしながら苦学生活を始めた。
勤勉な性格を持ち、異国での文学徒を夢見ていた彼は「朝鮮人」という不利な条件を誠実さと信用で克服し、
平素から彼の誠実さを目にしていた一人の日本人投資家の出資によって
1944年、コーティングオイルを製造する工場を設立し企業経営の第一歩を踏み出した。
第2次世界大戦のさなか、本格的に稼動することも出来ないまま空襲により工場が全焼するなどの
多くの試練を経験しながらも、優れた眼目、信用と誠実さを武器に挑戦を続け今日のロッテ神話を創りだした。
彼は財界においてマーケティングと広告に造詣が深い人物として知られている。
また厳格な品質第一主義によってあらゆる製品で最高の品質との評価を受けているが、
これは製品一つ一つに対して細やかな関心と情熱を注ぐ彼の戦略によるところが大きい。
また彼の勤勉性、誠実性と信頼性は多くのエピソードを通じて日本でも良く知られている。
創業初期、彼の誠実性ただ一つだけを信じて5万円(当時のサラリーマンの平均月給が80~100円)を
出資した日本人投資家は、一度も稼動することのないまま
工場が空襲で灰になった時にも彼を最後まで信頼したという。
その後彼はその投資者への返済に全力を尽くし、1年6ヵ月後には全額を返済、
加えて感謝のしるしとして家を一軒贈ったという逸話もある。
また、「企業は芸術である」との持論で企業経営の完璧性を追求し、一つの製品が評価され、
市場で圧倒的な位置を占めるほどに成長するまでは、他のものに目も向けない経営者として知られている。