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4/26 朝日新聞「耕論」 若者はバカになったのか?
若者見捨てる理由にすぎぬ 赤木智弘(フリーライター)
「若者はバカだ」と言われれば、その通りだと思う。知識、経験、そのどちらも若者世代が中高年世代よりも劣るのは仕方がない。しかし、中高年世代だって、
かつては上の世代から知識や経験不足を指摘され、「バカだ」と言われていたわけで、その意味では「誰でも昔はバカだった」のではないだろうか。
現在の40代以上の中高年世代の大半は、日本経済の右肩上がりの高度成長の恩恵を受ける形で企業に正社員として採用され、先輩から仕事を学ぶことで
知識やスキルを身につけることができた。日本社会として若者たちを受け入れ、育ててきたと言ってもいい。
だが、選挙権を得る前に、バブルが勝手に崩壊した後に社会に出なければならなかった私たち「団塊ジュニア」や「ポストバブル」世代は、「就職氷河期」という
悲惨な状況に直面することになってしまった。正社員になりたくてもなれず、非正規社員や派遣労働者、「フリーター」などとして安い賃金で使い捨てられている。
社会や仕事で実際に役立つような高度な知識は「オン・ザ・ジョブトレーニング」、つまり現実の仕事の中で覚えるしかない。だが、派遣労働者やフリーターは
その必要もない程度の仕事しか与えられず、よりよい仕事に就くための知識も経験も身につくことはない。今の日本社会は、若者たちを育てて、社会の一員として
受け入れることを拒否しているのだ。