06/12/07 01:30:26
>>609 子宮内での一次的ナルシズム(類から自己への転換)は
興味深い仮定だと思う。
ただ、最近知ったとこだが、完全なる母子一体化に関しては
保留がいるように思う。
胎児と母親では白血球(リンパ球)など、免疫システムで敵対的な関係にある。
そこで、胎盤は、母親から胎児を守るシステムとして、
母親の血液との直接接触を防ぐバリアーを胎盤の上に持つ。
(「トロホプラスト(絨毛膜))
トロホプラストは、「母親の免疫機構からの攻撃」を防ぐために
遮断抗体を出すなど複数の免疫抑制システムを持っている。
甚だしいときには、免疫抑制因子(ISF)なる免疫抑制タンパクを出し、
母親の免疫機能を弱めることまでする。
(妊婦の免疫能力が低下するのは、こういった胎盤システムのせいだという)
へその緒を通して母親と繋がって、異物として母親の体内にいて、
完全に母親(母体)に依存していても、すでに、
胎児は、母親と別の「個」として、完全なる母子一体化状態ではない
個の生命時間を獲得している。
これは当然、心理に大きな影響を与えるに決まっている。
そういった意味で、胎内で、類として進化し旧ほ乳類から
大脳皮質の異様な発達した「ヒト」、そして「わたし」になる過程で
一次的ナルシズムは当然あってしかるべきだと考えられる。