09/07/18 06:22:39 0
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西岡裕二さん
■[book]批評もまたキャラクター小説のように。
東浩紀さんは、批評もまたキャラクター小説のように虚構的なものだという意識から、
小説『キャラクターズ』をお書きになったらしいんですね*1。
それで、先日読み終えた『社会は存在しない』なんですけど、
主に若い書き手がライトノベルやミステリと00年代の社会の関係なんかを論じている評論集です。
これを読んでいると、まさに、ここに並ぶ批評家たちが小説内のキャラクターであるかのように思えてきます。
あたかも、竹本健治『匣の中の失楽』、清涼院流水『ジョーカー』のように、次々に登場して珍妙な(失礼!)推理を披露しては退場していく探偵たちのごとく見えてきます。
それぞれの論考は、真摯な態度で書かれていることが伝わってきますし、
いくつかの論考はとても面白くて説得力がありました。
しかしそれは探偵が語る推理みたいなものではあるなと思うのです。
こういう状況をそのまま楽しんじゃっていいのかと言う疑問も湧き上がってきますが、さて。