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生命体は自然から発生したものですが、「自然に還元できない/されない」という一方向性/非可逆性を以って、ここでは「疎外」という用語を用いています。
例えば、教科書的な表現になりますが、労働者が生産する生産物の使用価値/交換価値等が労働者に還元されず資本家のものになる/市場原理に委ねられる、
あるいはヒト一般が、より生きやすくなる目的で作り出した制度/生産関係/国家等の共同体等が、それらを作り出したヒトを一方向的に支配する/規定する関係性のありかた等を「疎外」と定義しています。
即ち、自分が生み出すものにより、逆に本来の人間性が損なわれること、あるいは、自然から発生した生命体が生命を獲得し、且つそれを維持するために自然から隔てられ、自然性を喪失し、且つ自然性(無生命の状態)が生命体を脅かす敵対物となる、
というようなことを言っています。
これらの非可逆性/非還元性と、自らが作り出したものとの間で敵対関係に陥ること、これらを「自己疎外」と定義します。