08/05/15 17:44:20 O
A:他のレスではまた色んな意見が出始めてるみたいだけど、ここで一冊の本を簡単に紹介してみよう。『戦前の少年犯罪』(築地書館)という本で、2007年の10月に初版が出ている。著者は管賀江留郎(かんがえるろう)という。管賀は国会図書館で膨大な新聞記事を漁り、
戦前の日本で、今日問題となっている少年犯罪が実は既に戦前の日本で多発していたこと、つまり、今日、メディアや識者が未曾有と騒いでいる様々な少年犯罪が、戦前の日本で数えきれないほど起こっていたこと、を実証している。目次からして面白い。
「戦前は小学生が人を殺す時代」
「戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代」
「戦前は親殺しの時代」
「戦前はキレやすい少年の時代」等々…
管賀は実に豊富な資料を発掘し、これら、今日の日本で初めて起こったとされる少年犯罪を、昔っから既にあったこと、“未曾有”などと騒いでいるメディアや識者がいかにこのような事実に疎いか。その疎い知識によって世の中を裁断し、勘違いを流布しているか
を冷静沈着に指摘している。
管賀はその膨大な資料を丁寧に書き記した後書きで、こう書いている。
《酒鬼薔薇事件や長崎小学生女子の殺人事件など、平成の少年犯罪とこの本に掲載した事件の数々とを読み比べてどのような印象をもたれるでしょうか。実際に起きた事件のごく一部を集めた本書を眺めただけで、戦前は数も質も遥かにひどい少年犯罪があふれていたこと
がおわかりいただけたのではないかと思います。》
《それも、貧困ゆえの犯罪などはほとんどなく、むしろ金持ちの子どもが異様な動機から快楽殺人を犯したり、ささいなことでキレて頭が真っ白になってめった突きにするような事件が多かったり、親殺しや兄弟殺し、おじいさん、おばあさん殺しなんてのも次々
起こっていたことが理解していただけたのではないでしょうか。》
《あの時代にどうしてわざわざ、親を大切に、兄弟仲良くなんてことを毎日学校で教えなければならなかったのか。考えてみれば簡単なことで、世の中がそうなっていなかったからなのです。今よりも家族同士の殺し合いはずっと多かったのでした。》
《戦後60年間、膨大な数が積み上げられてきた日本論のたぐいはすべてニセモノだったということです。教育論のたぐいはいわずもがな。》