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体外離脱体験の研究
仮想現実体験ゴーグルを用いて脳への知覚シグナルを混乱さることで、健常人の体外離脱体験を誘導することに
成功した。これにより、これまでただの想像の産物であると考えられていた現象を科学的に説明できる可能性が
でてきた。
Henrik EhrssonのBreviumおよびBina Lenggenhagerらの報告書によると、志願者にゴーグルを装着させ自分の身
体が別の場所にある映像を見せながら、その映像に合わせて実際に志願者の身体に触れると、志願者はまるで自
分の身体から抜け出したような感覚を体験することができたという。このような知覚情報を処理する脳の回路間
の遮断が、ある種の体外離脱体験を引き起こす原因となっているのではないかと研究者は述べている。
恐怖の対象との距離で異なる対応の仕方
新たに行われた研究から、ヒトがプレデター(捕食者)から脅威を感じるとき、プレデターとの距離によってそ
の状況への対処を処理する脳領域が異なるということがわかった。脳のどの領域が恐怖に関与しているのかが特
定できれば、不安障害に苦しむ人の助けになる可能性がある。
Dean Mobbsと英国の研究者らが実施した今回の研究は、同じような結果が得られたラットを用いた過去の実験を
踏まえて実施されたものである。この試験では、志願者にコンピュータゲームを使わせ、プレデターに見立てた
赤いスポットがキーボードに衝撃を与えて、志願者に痛みが伝わるようなシステムになっていた。機能的磁気共
鳴画像で脳内の血流を観測したところ、プレデターとの距離が離れている場合は高次の前頭前野が活性化してい
ることがわかった。この領域は評価に基づいた複雑な意思決定を行う部位であり、これにより被験者はよく計画
された退避ルートを導き出すことができる。しかしプレデターとの距離が近い場合、血流は中脳にシフトした。
ここは、闘うか、逃走するか、その場で凍り付いたまま動かないでいるかという決定に関与する迅速な反射を司
る部位である。Stephen MarenはPerspectiveの関連記事のなかで今回の研究を詳しく説明している。
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