07/05/01 12:34:46
脳内メカニズム解明 写真見て「痛い」 群馬大院教授ら
肉体的な痛みを連想させる写真を見ると、実際には痛くなくても脳は「痛い」と感じる―。群馬大学大学院
医学系研究科の斎藤繁教授らが、人が痛みを感じるときに特徴的な脳の活動を発見し、米国の脳科学専門誌に発
表した。味覚など他の感覚と比べて、痛みには感情の動きが大きく関与しているためらしい。
男子学生10人に、注射針が刺さった腕の写真を5秒間見せ、「痛み」を想像してもらった。この時、機能的
MRI(fMRI)と呼ばれる装置で脳の活動を調べると、10人全員で、本当に痛みがあったときに興奮する
側頭葉の一部などが興奮していた。この部分は情動をつかさどっているとされる。
一方、花畑や湖の「平和的」な風景写真を見せた場合は、視覚野しか反応がなかった。
傷が治った後でも痛みを訴え続けたり、心理的に強いショックを受けて「心が痛い」と訴えたりする患者がい
る。しかし検査で異常が見つからず、痛み止めの薬なども効かないため、治療が難しい場合が少なくない。
共同研究者の一人、自然科学研究機構・生理学研究所(愛知県)の柿木隆介教授らは痛みには感情の動きが深
く関与している可能性を考えており、「今回の結果は、『心の痛み』に対する治療に役立つのではないか」とし
ている。
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