07/05/14 20:14:38 0
「形而上学」はイデア説に執拗な大批判を繰り広げているんだが、
アリストテレスはプラトン学派に何か怨みでもあったのだろうか?
イデア(エイドス)は実在しない、と何度も説明がくどいし、長い。
で、偏執狂的と言えるほどイデア説への攻撃を最後まで止めない。
岩波版註1巻(19)に面白い指摘がある。プラトンの甥で第二代アカデ
メイア学頭だったスペウシッポスとアリストテレスの間に確執があった
という。プラトンの死後、アリストテレスがアカデメイアに戻らなかった
のはこの人物がいたからだそうだ。学的姿勢の違いが背景にあるという。
何かこうした事情が「形而上学」の内容に影響を及ぼしたのだろうか?
彼のイデア説批判は驚くほど感情的で、読んでいてうんざりする。
このせいで彼独自の説まで激しい野心を読者に感じさせるのが残念だ。