05/06/11 16:20:34
>>345
ソクラテスは第一実体じゃないでしょ。
もし第一実体と第二実体という区分を持ち出した『カテゴリー論』にのっとるならば、
そこで挙げられている第一実体の例は
「このある人間」や「このある馬」だよ。
この場合、基体について述語づけられないという条件の他に
基体の内に存在しないという条件も加わるけど。
加えて言うならば、
A「神を殺した(人である)のは私だ」と
B「私は神を殺した(人である)」
という記述は意味上は変わらないように見えるけど、
Aの場合は「神を殺した人」がまず人々の念頭にあって、
そのあとに「私」という存在で特定されている。
Bは逆に「私」がまずは聞き手あるいは語り手の思考においてもまず存在していて、
「神を殺した人」という性質で特定されている。
アリストテレスは「あるものをある限りにおいて」探求し、
その上で我々にとってまず第一に「ある」ものが第一実体なんだから、
思考の順序において先んじているか、遅れているかは大きな問題だよ。
などと適当に言ってみた。