●アリストテレス●at PHILO
●アリストテレス● - 暇つぶし2ch232:唯一ネ申又吉プネウマ ◆bc3X3SACRA
04/05/24 03:02
>>230
>アンスコムによると、例えば、その(分析論後書の)第一章のごときは、
 この出典はアンスコム他『哲学の三人』勁草書房の六頁であった。なお「第一章」とあるのは、
正しくは「第一巻」である。『分析論後書』の主題は知識エピステメーであって、アリストテレスは
第一巻第二章において論証による知識を真の意味での知識であるとする。アンスコム教授は、
前掲書において、これを批判するに、第一巻第五章の例をもってした。すなわち、二等辺三角形と
不等辺三角形のそれぞれにおいて内角の和が二直角であることが証明されても、三角形の
内角の和が二直角であることを真の意味で知っているとはいえない、というアリストテレスの主張を
批判している。厳しい批判ではあって即答はできないが、体系的な知識に美しさを感じる私としては
アリストテレスの主張のほうに味方したいところではある。
 アンスコム『インテンション』は難解な本だが、主題は行為と意志であろう。アリストテレス
にあっては知識エピステメーと異なり知慮フロネシスとよばれる魂の部分についての考察ということになる。
なお知慮とは『ニコマコス倫理学』第六巻第五章に「人間的な諸般の善に関しての、ことわりがあって
その真を失わない実践可能の状態」と定義されている。
>アリストテレスは、行為に関する推論も論証科学の推論と基本的には同型であって、
>同じ推論規則に従うべきものだ、と述べている
 このとおりであって、アンスコム教授は『インテンション』一〇九頁において「『実践的三段論法』は
アリストテレスが発見したもののうちで最も優れたものの一つである」としている。ただ、よく読んだ
わけではないので、詳しいことは今のところわからない。
 結論としては知識エピステメーのあり方についての批判であって、行為についてのものではないといえるだろう。


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