02/02/06 20:49
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ゼウスとヘルメスが貧乏人に変装して人間界を見回っていました。
夕暮れ、ある村で一夜の宿を求めましたが、疑いぶかい村人は
誰も宿を貸してやりません。
しかし、村外れの高台に住むピュレモンとバキウスの老夫婦は
快く神々を招き入れ、燻製肉のシチューとパンと葡萄酒で
もてなします。老夫婦が旅人を給仕しているうちに、瓶の中の
酒が減るどころかどんどん増えていることに気がつきました。
「このお客様は神様だ!」慌てて二人はひれ伏します。
招待を現したゼウスは静かに言います。
「立派な心根のそなたたちに比べて村人の心の貧しいこと。
罰を受けねばならぬ。見るがいい」
と、見る間に老夫婦のあばら家が豪華な神殿に変わり、村は
湖に、村人たちは魚になってしまいました。
慌てふためく夫婦にゼウスは続けます。
「何か望みはあるかね?」
夫婦が答えます。
「愛し合っている我々が死にわかれないように、一緒に死ねる様に
して下さい。」
夫婦は神殿の番人として余生を送りました。そしてある日の事、
神殿の前で話し込んでいた時のこと、全身から木の葉が生えて
いる事に気がつきました。最期のときが来た事を悟った二人は
互いに懐かしい思いをあらん限り語り合い、最後に
「愛しているよ!」
といって月桂樹とオリーブの木になったということです。
しかし・・・宿を貸さなかったばかりに魚にされた村人は
憐れ・・・