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ただ、エフライムやマナセ、ベニヤミン地方に住みついたひとびとがエジプトからやってきた人たちで主に構成されていたか
どうかについては、聖書の記述を重視するか、それとも考古学的知見を重視するかによって、議論がわかれている。エジプト
から来た人たちは少数で、パレスチナ沿岸の低地がペリシテなどの海の民に襲われたりしたため、山地に逃れてきた農民などが
最初期イスラエルの主な構成員であったのではないかというのが有力だ。ただ、聖書の記述を重視して、引用サイトのように
エジプトないしはその方角からの移住者がイスラエルの始まりの主な構成員であると考える学者もいる(バルク・ハルパーン、
ドナルド・レッドフォードなど)。
十二部族連合がどういう過程で形成されたかについては考古学的証拠は皆無ではっきりしない。極端な説になるとそもそも部族が
十二存在したというのがフィクションであるというのもある(ペーター・レムケ)が、そこまで極端でなくとも、十二部族連合が
成立したのは早くとも士師時代の末期以降であると考えるのがほとんどだ。始めからイスラエルが十二部族あったと唱える学者の
名前は残念ならがひとりも挙げることができない(聖書原理主義団体の学者を探せばいるかもしれないが)。