07/04/22 09:52:53
1970年代頃までの有力説では、十二部族連合の成立過程は次のように説明されていた。エジプトに下らなかったレア系六部族が
まず緩やかな部族連合を結成し、エル神を崇拝していた。これが「イスラエル」の始まりであると。そこに出エジプトを体験した
ラケル系諸部族(エフライム、マナセ、ベニヤミンなど)が合流したと。エル神を崇拝していたイスラエル連合体にヤハウェ信仰
をもたらしたのがこのラケル系諸部族であると(マルチン・ノートの『イスラエル史』など)。
しかしこの学説は今では疑われている。というのも、1970年代以降の考古学調査によって、イスラエルの始まりはエフライム
やベニヤミンとされる地域から始まったことがはっきりしたからだ。レア系六部族の住んだとされる地方からはイスラエルが
始まったとされる時代(後期青銅器時代末期から鉄器時代Ⅰ初期)の集落跡がほとんどみつかっていないのだ。ということで、
引用しているサイトのいうとおり、イスラエルの始まりは考古学的にも、エフライムやマナセ、ベニヤミン地方に住みついた
ひとびとであったと考えられている。