05/08/11 04:25:09
肉食忌避は仏教伝来以来の観念なのかな? 『古語拾遺』いわく、
「御年神(田の神と考えられる)が、農民が牛肉を食したことに怒り、
イナゴをその田に放った。困り果てた農民がその理由を占うと、これは
御年神の祟りであるから、白猪、白馬、白雉を供えるべきと出た。その後怒りを
鎮めた御年神がいうには、「イナゴの害がおさまらないなら、田の水口に牛の
肉を置け」と。農民らはその教えのまにまに実行したところ、見事豊かな田が復活した」
これは単なる一挿話のあつかいではなく『延喜式』祈年祭でも、御年神だけは
その供物が馬、猪、雉と規定されている。
田の神たる御年神と、ケモノの肉との関係。よくわからないけれど
狩猟採集民が農耕民化する過渡期の、観念的混乱期というのがあったのでは
ないかとも思う