01/11/30 08:53
薩摩の犬肉食いは江戸でも有名だったようで、それを題材にした
川柳がいくつも残されています
渡辺信一郎『江戸のおしゃべり 川柳にみる男と女』(平凡社選書、
2000)を参考にいくつか解説しておきます
≪酒盛りにきゃんと言わせる御国柄≫
「きゃん」とは撲殺したときの犬の鳴き声
薩摩では犬肉料理は宴会に欠かせない料理であったのか、犬を
食べることはよく行われていたようで、それを「御国柄」と詠んでいる
≪大部屋に赤犬などのあらがあり≫
「大部屋」とは大名屋敷で中間や小者が雑居する部屋
その部屋で犬肉料理が食べられていたようで、肉を食らい尽くした
後の「あら」が残されている様子を詠んでいる
≪品川と麹町に入れあげる≫
「品川」は品川宿の飯盛女、「麹町」は麹町の獣肉屋
江戸時代の麹町には獣肉屋が多くあり、薩摩の武士がそこを度々
利用していたことを詠んでいる
≪「赤犬が紛失した」と芝で言い≫
「芝」は薩摩藩の下屋敷があった地域
そこで犬が「紛失した」のは薩摩の武士が犬を捕まえて、食べて
しまったのではないかという疑いを詠んでいる