【勝手に】感じで漢詩【解釈】at KOBUN
【勝手に】感じで漢詩【解釈】 - 暇つぶし2ch2:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/08 17:03:05 Mvo6jYzp
  『月下獨酌』  by李白

花間 一壷の酒
獨りで酌んで 相親しむ無し
杯を擧げて 名月を邀え
影に對して 三人になる
月既に 飲を解せず
影 徒らに 我が身に隋う
暫く 月と影とを伴い
行楽 須べからく 春に及ぶべし
我歌えば 月徘徊し
我舞えば 影零乱す
醒時はともに交歡し
醉後は各々分散す
永く無情の遊を結び
相期して 雲漢はるかなり

3:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/08 17:03:25 Mvo6jYzp

満開の花を前にして、旨い酒があるのだが、
悲しい事に一緒に楽しんでくれる相手が無い…orz
はっ、そうだ!
盃を見せびらかして月を誑かし
影も引き摺り込んで三人で飲もう yes!
but、月は下戸だし、影は遠慮する
いいや、無問題(モウ・マンタイ)
春とは楽しむ事と見つけたり
私が歌えば月は弾むし
私が踊れば影はぷるるんwww
ほろ酔い気分で一緒に楽しみ
酔っ払えばサヨナラねー
今宵一夜の友でなく
一生涯の友として
遥かミルキーウェイでまた飲もう、うん

4:冬のオイラ
06/10/08 21:06:25 26qXri3A
     ♪    /.i   /.i  /.i
   ♪     ∠__ノ ∠__ノ ∠__ノ   
       〈 (・ω・)(・ω・).(・ω・)ノ     
         └i===|┘i===|┘.i===|┘        
           〈__〈 〈__〈 〈__〈
   
            ふしぎっ
     ふしぎっ
                ふしぎっ

5:名無氏物語
06/10/11 12:08:21 jS60jgBu
中国の歴史に関する娯楽・文学は三戦板のご利用を

URLリンク(hobby8.2ch.net)

6:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/11 21:12:37 zq07dYti
おお、留守の間にお客様が♪

>>4
ようこそお出で下さいましたよ
その上、賑やかしの踊りまで披露して下さるとは、なんと優しき方なのでしょうね
これからも宜しくお願い致します

>>5
おおお、これはこれは、お誘いありがとうございますよ
ただ、私があちらに参りますと、たぶんスレ違いと言うことになりそうですので、
しばらくはこちらでやらせて頂こうかと思っております
もし、ご覧になってあちらの方が向いていると言う事でありましたら、その時は
お手数ですがどうぞご教示願えませんでしょうか

7:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/11 21:15:59 zq07dYti
さて、本日の犠牲者は杜甫さんなのですよ

文字の違っている部分がありますが、IMEの所為ですのでご容赦下さいね


  『江畔独歩尋花 其一』  by杜甫

江上 花に悩まされ徹せず 
告訴するに処無く 只だ顛狂す
走いて南隣の酒を愛する伴を覓むれば
旬を経て出飲して 独り空牀のみ

※顛の偏は、本当は眞です

8:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/11 21:16:28 zq07dYti

川みたいに人が流れるいつもの道で
ひょいと見かけた天使に惚れて 
何一つ手につかなくなったオレ
告りたいけど告れない
どうすりゃ良いかわからねえ
何にも思いつかなくて ただその辺をうろつくばっか…
閃いた!(うぉっしゃあぁああ!!)
酒好きだけど頼りになる あの先輩ん家へひとっ走り
必死こいて行ってみりゃ
 「飲みに行く」そう言って10日以上帰ってねえ だと orz…

9:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/14 14:10:49 AZ3sAvp0
誰方のお咎めもないのを良い事に、さあ、今日も妄想を膨らませましょうねえ♪
 
  『田園楽』  by王維

桃は紅にして 復た宿雨を含み
柳は緑にして 更に春煙を帯ぶ
花落ちて 家僮 未だに掃わず
鶯啼いて 山客 猶お眠る


今朝の私は美しい 
昨夜あなたに愛されたから
あなたの余韻が 体中をまだ熱らせる
床に散らばる衣(きぬ)の島々
名前をそっと呼んでみるけど 
愛しいあなたは夢の中

10:名無氏物語
06/10/14 20:34:48 MoKl10MS
おもしろいかも
リクエストとかってできますか?

11:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/14 23:11:29 dzq3I623
おや、お客様ですね
いらっしゃいませ

リクエストですね
さて、ご期待に沿えるかどうかわかりませんが、トライしてみましょう

何がお望みでしょうか

12:10
06/10/15 00:16:22 n99K6QNp
返事ありがとうございます
リクエストは 「飲酒 其七」 by 陶淵明 
でお願いします

秋菊 佳色有り
露に濡れて 其の英(はなぶさ)を採る
此を忘優の物に汎(うか)べ
我が 世を遺るるの情を遠かにす
一觴 独り進むと雖(いえど)も
杯 尽きて 壺 自ずから傾く
日入りて 群動息み
帰鳥 林に趨(おもむ)いて鳴く
嘯遨(しょうごう)す 東軒の下
聊(いささ)か復た 此の正を得たり

PCで書いて見たらけっこう大変だった^^;

13:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/15 20:20:02 u0QdbMRa
>>12
深夜の書き込み、ご苦労様でした
さっそく、今日1日じっくり引き篭もってやらせて頂きましたよ

まずは普通の訳文を(と言ってもわたくしの勝手な解釈ですがw)お届けします

秋菊が色美しく咲いている
しっとりと露に濡れた 香り高いそのはなびらを摘んで
世俗の憂さを忘れさせる妙薬(酒)に浮かべて飲めば
俗世を厭い 遠ざかった私の気持ちを 更に深める
一杯 一杯 また一杯と 独りで觴(サカズキ)を運ぶ
酒が残り少なくなれば 壺も自然と傾いてくる
陽が落ちかかれば 昼間のいろんな音が静かになって
ねぐらに帰る鳥が 林に向かって鳴きながら飛んで行く
東の窓辺で 自分もまた緩やかに歌い くつろぐ
しばし 天命に順ってこの生を過ごすとしよう

14:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/15 20:22:25 u0QdbMRa
続いて、ふふふふ♪
『休日お色気大作戦』でやってみました

あなたのお気に召すと良いのですが…

秋菊のように美しく装った女(ひと)よ
その濡れたような唇が 無言で私に愛をねだる
忘憂の妙薬は 貴女の吐息と 蜜酒の味
世俗の事など知るものか
今はひたすら 腕の中の貴女を愛するのみ
誰にも認められなくていい 
だが ずっと側にいる事は出来ない
空になった酒器が やがて片付けられるように
時が過ぎ 貴女が去ってしまった後には
愛を語る相手も無く ただ火照りだけが身体に残る
ねぐらに帰る鳥たちよ あの女を見守っておくれ
祈りを込め 軒下で歌う 届くまいとは思うけれど
またしばらく 夢を見ながら暮らすとしよう

15:10
06/10/16 09:51:03 JDOZsQAH
>>1さん
ありがとうございます
酒を女性に見立てるとは感服しました
かなりお気に入りです
自分の中の漢詩の世界が広がった気分です
もう一度漢詩を読み直して、自分なりの妄ゲフゲフ・・・想像をしてみます
これからも、楽しく拝見させていただきます


16:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/16 21:05:00 BvKZEzM/
>>15
そのように好意的に解釈して頂けて、大変嬉しく思いますよ
カキコしてみたものの、実はかなりビクビクものでしたので

また、楽しそうな詩を見つけましたら、妄想に満ち満ちた翻訳をしてみますね

どうもありがとうございました

17:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/18 22:41:53 X6P0BSYs
はいはい、今夜はね、ちょっと有名どころでやろうと思いますよ

  『対酒』  by 白楽天

蝸牛角上 何事をか争う
石火光中 此の身を寄す
富に随い 貧に随いて 且らく歓楽せん
口を開いて笑わざるは 是れ痴人

そう、『蝸牛角上の争い』と言う、格言にもなっていますね
とても意味深い詩なのですが、私が訳するとどうなるか

18:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/18 22:45:04 X6P0BSYs
普通だと、まあこのようになりましょうね

カタツムリの角の上で 一体何を争おうと言うのか
火打石から飛ぶ火のように 束の間の人生なのに
富裕な者はそのように 貧しい者もそれなりに 楽しくやろう
口を開けて笑わないのは 馬鹿なやつだ


しかし、私のはこうなるのですよ
わはははは☆

つまんない事でとんがって ギャースカやると疲れるよ
花の命は短くて カラスの足跡なぜ怖い?
お金や恋人 持ってたって 持たなくたって こだわんないで
みんなで一緒に コンパしようよ
お腹の底から笑えなきゃ 人間終わっちゃうよ

19:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/19 22:42:20 gDHdvm16
>>56
我是日本人。
我能理解中文(普通話)、一点児。

私は日本人です。
中国語は、少しだけ 理解する事ができます。

ここは、仮名を使わずに 漢字だけで会話をする場所になっています。
あなたは、普通の日本語や 古典詩を書き込みたいのですか?
それは、この場所では 良い事では有りませんので、よろしれば 下記の場所へ移動しませんか?

【勝手に】感じで漢詩【解釈】
スレリンク(kobun板)

20:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/19 22:45:07 gDHdvm16
しまった、自スレへ誤爆しましたよ
とほほ…

21:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/22 19:53:49 f49Bp7/9
今日は別スレへ訳を置いてきましたよ
王翰の 『涼州詩』です
好きな詩でしたのでつい…

スレリンク(kobun板:66番)


22:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/25 21:45:28 YDR/vxe3
さてさて、自分ちもちゃんとやりませんとね

この詩、とてもほのぼのしていて私好みなのですよ

  『梅村』  by呉偉業

枳籬 茅舎 蒼苔掩う
竹を乞い 花を分かち 手自ら栽う
人に詣るを好まず 客の過るを貪り
遅くに答を作すに慣れて 書の来るを愛す
閑窓に雨を聴きつ 詩巻を攤げ
獨樹に雲を看つつ 嘯台に上る
桑落の酒香ばしくして 盧橘美し
釣舟 斜めに繋いで 草堂開く

23:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/25 21:46:45 YDR/vxe3
枳殻の垣根の中 青い苔に包まれた茅葺き小屋がマイハウス
分けてもらった竹や花を 自分好みに植えてみる
お呼ばれするより お招きしたい
返事はゆっくりだけどちゃんと書くよ 手紙をもらうの大好きだから
雨の日は 窓辺で好きな本を読んだり
天気の良い日は 木の上の雲を見ながら歌ったり
甘い金柑をおつまみに 香ばしい桑落のお酒を飲むのも好き
目印は斜めに繋いだ釣舟 そこが私のお家なの

24:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/10/29 17:35:25 rIwTFrbJ
今夜の気分はちょっとホロ酔いです、ふふふふふ☆

  『清明』  by杜牧

清明の時節 雨紛々
路上の行人 魂を断たんと欲す
借問す 酒家は何れの処に有る
牧童 遥かに指さす 杏花の村

春の盛りに 小糠雨がしきりに降っている
道行く旅人は 心をすっかり落ち込ませ
居酒屋はどこかと訪ねると
牧童が 遥か彼方 杏の花咲く村を指さす

(私的翻訳)
 しとしと雨が降り続く 遊びに行きたし 連れは無し
 杏露酒のグラス片手に ネットでプチ旅探してみれば
 牧童(ナビ)が指差す“杏花村”
 氷がゆらりと身じろいで 彼方と此方で広がる香り

25:名無氏物語
06/10/30 14:38:49 tSR5DuWi
Y(^o^)Y

26:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/03 13:53:56 C2bsDLyA
霜月、なのですね既に
しかし、そんな気には微塵もなれません
半袖Tシャツとイージーパンツで、うろうろしております

なので、詩もまた、まだ秋のままお届けしましょう

  『南歌子』  by李清照

天上 星河 転じ
人間 簾幕 垂る
涼 生じて 枕簟 涙痕滋く
起ちて羅衣 解きつつ いささか問う
夜 何ぞ いかばかりならん

翠貼れる 蓮蓬小さくして
金銷の藕葉 稀なり
旧時の天気 旧時の衣
只だ 情懐のみは似ずに有り むかしの時に

27:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/03 13:54:31 C2bsDLyA
 天上の星々が動く程の時が過ぎ
地上ではそろそろ誰もが寝む時間となった
もう 秋が来ようとしているけれど
夏の敷物には 夏の間に付けた涙の跡が 幾つも残っている
起き上がり 夏の着物を脱ぎ捨てながら そっと独りごちてみる
どうして 夜はすぐに明けてしまうのかしら

蓮の実の刺繍は 何時しか貼り付けたように 色艶を失ない
蓮の葉の金糸の刺繍は ずいぶん縫い取が剥げてしまっている
相変わらずの季節の様子に 昔ながらの季節の衣装
繰り返す日々の中 私の気持ちだけが変わってしまった
訳も無いのに

28:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/11 12:43:09 LATARiZa
ひさしぶりですよ

寒くなってからの雨は淋しいですね
今日はそんな詩をひとつ、お届けしますよ

  『声声慢』  by李清照

尋ね尋ね 覓め覓めて
冷冷たり 清清たり
凄凄たり 慘慘たり 戚戚たり
暖にして 乍ち還(ま)た寒き時候
最もやすらい難し
三杯 両盞の淡酒
怎んぞ敵わん それ晩来の風 急なるに
雁は過ぐるや
正に傷心す
却って是れ 旧時の相識たり

満地に黄花は堆積すれど
憔悴して 損はれ
今や 誰ぞ 摘むに堪えん
窓に守著し
獨り 黒れゆくを いかに生し得ん
梧桐 更に細雨を兼え
黄昏に到りても 点点 滴滴
かくなる次第
いかでか 一個の「愁」字に了し得ん

29:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/11 12:43:35 LATARiZa
言い様のない物寂しさを どうにか紛らせたくて
あちこちを尋ね尋ね 求め求めてみたけれど
儚く問いは消えて行き ただ静寂があるばかり
憂いだけが増してゆく
物思うこの季節 虚しい追憶の数々に似て
暖かくまた寒く 天候さえも定まらず 
心身もまた落ち着かない
気の抜けたいささかのお酒で どうやって
戸の内外で吹き荒れる夜半の嵐に抗えるのか
雁はもう 渡って行ってしまったか
置き去りにされたような気分になる
あれらを旧知のの友のように思っていたから

大地に積もるほど 菊花が咲き誇っている
嘗てはあの中の一輪であったものを
心を占める哀しみに疲れ果て 今は面影すらない
我が事など 誰も心に留めないだろう
終日窓辺に寄りかかり あなたの帰りを待っている
けれど無常に時は過ぎ やがて独りで日暮れを迎える
葉の枯れた梧桐に 小雨が降りかかる
夜になっても降り止まず しとしと しとしと
こんな悲しい有様を
どうして「愁」の一文字で表わせるのか

30:名無氏物語
06/11/13 17:25:17 ooXuDZ6q
(><)わかんないですぅ!

31:名無氏物語
06/11/14 23:30:35 qLXu3v33
井伏鱒二や松下緑みたいな人がいるスレですね。
まあそれぞれ自分流の訳し方があるのだろうね。
上記の二人は七五調なのが面白いけどね

32:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/15 00:24:19 nbMtvJ91
>>31
どうもありがとうございます
わたくしめのフィーリングのみでやっておりますので、それはもう無茶苦茶なのですよ
よろしければ、またお立ち寄り下さいませ
いつでも歓迎いたします

33:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/18 22:15:20 WjICyvsP
さてさて、またサボっていましたよ
でもあんまりサボりすぎると、ぐーたらグセがついて起き上がれなくなってしまうので
この辺でどっこらせするべきですね

恋愛も失恋も、春夏秋冬いつでも良さそうなのですが、何故か春秋が似合うような気がしますよ

  『蘇幕遮』  by范仲淹

碧雲の天
黄葉の地
秋色の連波
波上の寒煙は 翠なり
山は斜陽に映じて 天は水に接す
芳草は 情無く
更に 斜陽の外に 在り

闇たる 鄕魂
旅思を 追う
夜々 除くに
好夢 人を留めて睡るに非ざれば
明月 樓高 獨り倚るを休めよ
酒 愁腸に入りて
化して 相思の涙と作る

34:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/18 22:15:52 WjICyvsP
青く高く澄んだ空
見渡す限り 黄葉に染まった大地
秋が世界に広がっている
水面に立つ霧は 翡翠色に染まり
山々は夕陽に朱く染められて
天は水平線で水とまじわる
かつて恋を語った相手は 今はつれなく
見遥かす遠い空の彼方の人だ

幾度も挫折して その度に故郷を思い
また 旅路であったことをも思い出してみる
夜毎 美女と枕をともにする
そんな楽しい夢を描きながら 独り眠る
月の冴えた美しい夜
ベランダに出 手摺にもたれて景色を眺め
物思いに耽りたいが 止めておこう
今は どんな酒であろうとも 
きっと酔えはしないだろう
愁いに満ちた我が身に入れば それらはみんな
あなたを想う涙になるから

35:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/25 08:51:53 zs+XT08C
人はどんな人でも矛盾を持ってますねえ
この人の矛盾はとても面白いです

  『短歌行』  by曹操

酒に対しては 當に 歌うべし
人生 幾何(イクバク)ぞ
譬えば 朝露の如く
去日 苦だ 多し

慨して 當に以って慷す
憂思 忘れ難し
何を以ってか 憂いを解かん
唯だ 杜康の有るのみ

青々たる 子の衿
悠々たる 我が心
但だ 君が為故
沈吟して 今に至る

ようようと 鹿は鳴き
野の苹を 食う
我に 嘉賓有り
瑟を鼓し 笙を吹く

36:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/25 08:52:38 zs+XT08C
明々たること 月の如きも
何の時か 輟る可けんや
憂いは 中從'り来たり
断絶す可からず

陌を越え 阡を度り
枉げて用いて 相い存わば
契闊談讌して
心に 旧恩を念わん

月 明るく 星 稀にして
烏鵲 南に飛ぶ
樹を 繞ること 三匝
何れの枝にか 依る可き

山 高きを厭わず
水 深きを厭わず
周公 哺を 吐きて
天下 心を帰せり

37:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/25 08:54:14 zs+XT08C
【わたくしの勝手な訳】ですよ


酒を飲むなら 歌えるほどに 楽しく飲もう
人生がどれほどあるかと考えたら
朝露に譬えていいほど 儚いもので
なのに 大部分がもう過ぎ去ってしまってる

慨(イキドオ)り 慷(ナゲ)きが心に澱(ヨド)んでいる
憂いがいつも側にある
どうやって その憂さを晴らそうか
それにはただ 酒あるのみ

学問にいそしむ 青い襟の君よ
その成長を 遠くから見守ろう
ただ 君の才能の故に
そう呟いて どれほどの時が経ったのだろう

友を求め 要々(ヨウヨウ)と鹿は鳴き
広がる沃野で 共に豊かなヨモギを食べる
今 私の元に 価値ある人々がやって来た
彼等の為に 楽を奏してもてなそう

38:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/25 08:54:54 zs+XT08C
夜空の満月のように はっきり見えているようでも
いつ 小休止に踏み切ろうか 迷っている
心配の種は 内側から出てくるものだ
断ち切れぬものが そこにあるから

東西路 南北道 多くの道を乗り越え
わざわざ見舞ってくれた君よ
万里を遠しとせず 訪問してくれた賓客を歓待しよう
久しぶりに懐かしい 積もる話をしようではないか

月が明るいと 綺羅星も霞んでしまう
カササギは 南に飛んで 樹の周りを三度廻る
そして どの枝に止まろうか 思案している
まるで 誰がその陣営に所属しようか 悩んでいるように

山は 自らが高くなる事を厭わない
海は 自らが深くなる事を厭わない
周公は 食事を中断してでも 人に会い
民衆の心を 自らに引き付けた
自分もまた 斯く有りたいと思う

39:国重高暁
06/11/30 22:40:33 ejCYg+QF
ルビー・Dさんを真似て、僕も
自分なりの漢詩和訳に挑戦してみましょう。
なお、ユニコード文字についてはご容赦を。

「桃夭」from詩経

桃之夭々 灼々其華
之子于帰 宜其室家

桃之夭々 有※其実
之子于帰 宜其家室

桃之夭々 其葉蓁々
之子于帰 宜其家人

※=草冠に賁

40:国重高暁
06/11/30 22:47:08 ejCYg+QF
<自分なりの和訳>
彼女は若くて桃のよう   その真赤っ赤の花のよう
この子もついに嫁入りした 立派な妻となるだろう

彼女は若くて桃のよう   そのよく熟した果実のよう
この子もついに嫁入りした 立派な妻となるだろう

彼女は若くて桃のよう   その青々した葉っぱのよう
この子もついに嫁入りした 立派な妻となるだろう

以上、大昔のウェディングソングでした(*^^*)

41:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/11/30 23:27:07 O6ILOAPP
国重高暁さま、どうもありがとうございます

実はこの詩、「嫁入りした」と言う部分を変えると、新郎側からのスピーチにも使えるのですよ
こんな風に♪

 燃えるように咲いている 桃の花のような子を娶る
 きっとこの家に相応しく 家はいっそう華やぐだろう。

 実がたくさん生っている 桃の木のような子を娶る
 きっとこの家に相応しく 子宝に恵まれるだろう

 艶やかに生い茂る 桃の葉のような子を娶る
 きっとこの家に相応しく 家はますます繁栄するだろう

ね?嫁を誉めながら、実は自分の家の自慢にもなっているんです
なんてヤツラなのでしょうw

42:名無氏物語
06/12/02 06:16:35 PVYyyu6C
三国時代の文学スレッド
スレリンク(warhis板)

ここの542に関連スレで貼ってあったから貼り返しにきたよ

43:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/12/03 07:47:47 hnrEBhO8
>>42
それはご親切にどうもありがとうございます

あちらへ貼って下さったのが何方か存じませんが、こんなスレを覗いて下さっているということ、
このルビー・D、大変嬉しく思いますよ
どうぞ、皆様にも宜しくお伝え下さいませね

44:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/12/07 22:20:34 hQpSJNcY
皆さんご存知でしたか
今日は生憎の雨ですが、この3日程、本当に月が美しかったのですよ
なので、今夜は李白です

  『静夜思』  by李白

牀前 月光を看る
疑うらくは 是れ地上の霜かと
頭を挙げて 山月を望み
頭を低れ 故郷を思う

何もかも投げ出したい夜 ふと月光に誘われて 出て見れば
冴え冴えと地上に降り敷く銀の砂 隔てなく 果てしなく
山並みのように続く甍の向こうに 飛び出して来た故郷
空しい夢を追う日々に そろそろ別れを告げようか

45:名無氏物語
06/12/15 08:04:03 vl0TLiAQ
ルビーちゃん元気かい?

46:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/12/15 21:13:31 SmBKl3TF
>>45
ありがとうございます、ええ、元気ですよ

わたくし、『逢引』と言う言葉が大好きなのです
光とさざめきから少し離れた日陰の辺りで、大人同士がそっと忍び会う
決して不倫ではないけれど、年齢的に少し高めのシングルが世間を憚って落ち合う
そんな響きを感じてしまうのです

ただ、どうして『逢引』なのでしょう?
『逢う』は男女が抱擁しあう姿として理解出来ますが、『引く』とは何なのでしょう

それをずっと悩んで居ります

47:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/12/15 21:18:20 SmBKl3TF
さて、悩みついでに少し悩ましい詩を選んでみました

  『紫藤樹』  by李白

紫藤 雲木に掛り
花蔓 陽春に宜しい
密葉 歌鳥を隱し
香風 美人を留む

あっさり訳せばこのようになるのですが

紫の花の咲いた藤が 背の高い木に纏わり付いている
花房のある蔓は 陽気の満ちた暖かな春に好ましい
生い茂った葉は 囀っている鳥の姿を隠し
芳しい風は 美人の足を留めている

わたくしらしく訳しますと、こうなるのですよ♪

藤色の衣装の淑女が 背の高い貴公子にしなだれかかる
袖から覗く白い手が そっと背中に回される
陽気な季節の アバンチュール
生い茂る藤の葉が 恋を囁く二人を隠し
香る風が 時を過ごす二人の衣に染み込んで行く

48:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/12/23 10:08:01 uNGdMDXX
いよいよ明日はイブ・イブですね☆
昔の恋の歌を引っ張り出して来ましたよ

  「上邪」  by読み人知らず(漢代) 

上や
我 君と相知らんと欲す
命 長く 絶え衰ふること無し
山に陵無く
江水 為に竭き
冬雷 震震として
夏に雪 雨(ふ)り
天地合すれば
即ち 敢えて君を絶たん


天よ、聞いてくれ
私はあの人と恋がしたいのだ
この思いは永遠に 衰えも絶えもしないだろう
全ての山が平らに成り
それで河の水が涸れ
冬に雷鳴が轟き渡って
真夏に雪が降り積もり
天地の合わさるこの世の終わりが来たならば
あの人を想う事が出来なくなるが

49:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
06/12/23 10:09:38 uNGdMDXX
>>48をもう少しルビー風に捻じ曲げて訳してみますよ

天に誓います
あなたを愛しています
わが命続く限り 全身全霊で 愛しています
山が無くなり 河が消え
冬に台風 夏に豪雪
天変地異で とうとうこの世が滅びようと
あなたを愛する私の身体は無くなりますが
私の心は永遠に あなたを愛し続けます


…まあ、リアルで言われると引くでしょうね、きっとw

50:名無氏物語
06/12/23 15:15:10 oeHc5cam
50

51:名無氏物語
07/01/08 13:21:04 pclSsDB9
あけおめ

52:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/01/08 14:29:43 N7E1geWT
ご無沙汰していますよ
私、失恋なぞして旅行して参りました
でもまだ抜け出せていませんよ、困りましたね
昨日、雪が降って少し積もりましたが、あんな風にきれいに埋めちまいたいですよ


  『春望詞 其三』  by薛濤

風に散る花は 日毎に風情を失っていく
嬉しい約束の日は 遥かに遠い
心を通わせる恋人とは結ばれず
ただ、草だけを同心に結んでいる

元の詩はこれです

風花 日に将に老いんとす
佳期 猶渺渺
結ばず 同心の人
空しく結ぶ 同心の草

53:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/01/08 14:31:22 N7E1geWT
>>51
おや、失礼致しましたよ

あけおめです、はい

54:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/01/08 14:31:29 N7E1geWT
>>51
おや、失礼致しましたよ

あけおめです、はい

55:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/01/18 22:33:42 ZZ43oTfl
>>53>>54 繰り返してますね、あら、恥ずかしやw
こんな時には、こっそり自分を励ますのですよ
ええ、昔の人ももちろんやってたでしょう、こんな風に

  『行行重行行』 (古詩…詠人知らず)

昨日今日 明日へ向かう旅をするうち
いつか あなたと違う道を選んでいた
今や二人の間には 平原万里 遥かに隔たる
それぞれの世界の片隅で 
道の険しさまた長さ そんな事を思いつつ
逢えれば良いなと思ってみる
胡の馬が北風に向かって嘶くように、
越の鳥が南側の枝を選んで巣をかけるように

別れてから もうどの位になるのか
あれから自分は随分痩せた
浮雲が一瞬で 人目から太陽を隠すように
あなたは振り向きもせず 行ってしまった
あなたを思う度 老人のように昔に浸ってしまう
楽しかった日々は一瞬に蘇り また埋もれていく
ああ 取り留めもない繰言は止めよう
そして明日の為に ご飯を食べよう

56:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/01/18 22:34:30 ZZ43oTfl
読み下しも載せておきましょう☆

  『行行重行行』 (古詩…詠人知らず)

行き行きて重ねて行き行く
君と生きながら別離す
相去ること万余里
各々天の一涯に在り
道路阻しく且つ長し
会面安くんぞ知るべき
胡馬は北風により
越鳥は南枝に巣くう

相去ること日に已に遠く
衣帯 日に已に緩し
浮雲 白日を蔽い
游子 顧返せず
君を思えば人をして老いしむ
歳月 忽ち已に晩る
棄捐して復た道(い)うこと勿かれ
努力して餐飯を加えよ

57:名無氏物語
07/01/27 14:45:30 b9qdrx05
【李白】中国の詩人たち【杜甫】
スレリンク(chinahero板)
【詩仙】漢詩について語るスレ【詩聖】
スレリンク(chinahero板:1-100番)

58:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/01/28 10:41:27 E8/EvHh3
おはようございますよ

>>57
お誘いどうもありがとうございます

さて、今朝はちょっと趣を変えて見ましょうか


  『萬空歌』  by悟空

天も空 地も空 人生 渺々(ビョウビョウ)として其の中に在り
日も空 月も空 東昇 西墜 誰が為の功
金も空 銀も空 死後 何ぞかつて手中に在りや
妻も空 子も空 黄泉の路上に相ひ逢はず
権も空 名も空 眼を轉ずれば 荒郊に土に一封せらる

天も空 地もまた空
 人の世の営みは果てし無く続き 天地の間にある

太陽も空 月輪も空
 太陽が東から昇り西へ沈むと言う事は 誰のお陰なのだろうか

黄金(財産)も空 白銀(財富)も空
 生前の富を 死後も手の中に持っておられようか

妻も空 子も空
 縁あって家族となった者達とも あの世の途上では出逢わない

権力も空 名声も空
 死んでしまえば瞬く間に 郊外の荒れ果てた草むらに埋葬される

59:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/05 22:40:57 73VFe3sk
立春は昨日でしたが、雪の日はまだしばらく続きますよ

  『江雪』  by柳宗元

千山 鳥飛ぶこと絶え
萬徑 人蹤滅す
孤舟 簑笠の翁
獨り釣る 寒江の雪に

降り積もる雪に籠められ 山々の鳥も飛ばず
街道も小道も野辺も 歩む人無し
水面に浮かぶ小船一艘 中には蓑笠姿の翁が独り 
黙って糸を垂れる河は 凍りもせず ただ静かに流れ行く

60:名無氏物語
07/02/06 02:24:08 ifIgf5ZY
やっと、還暦だね・・・

61:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/06 20:56:01 0w0qK97v
はい、やっと…と申し上げたいのですが、私まだその歳には程遠いのですよ
ああ、その時まで生きられるかしら?
佳人薄命と言いますので

今日はずいぶん暖かで、梅の花が一気に開きましたよ
なのでそれに因んだものをひとつ

  『探春』  by戴益

終日 春を尋ねて春を見ず
杖藜 踏破す 幾重の雲
帰来 試みに梅梢を把って看れば
春は枝頭に在りて 已に十分


どこかに もう春は来たかと 探してみたが見つからない
よたよた杖を突きながら 雲の彼方の山にまで行って見たのに
がっかりしながら家に帰り 何気に庭の梅の枝を手に取ってみれば
なあんだ 春はもう来てるじゃないか 蕾がふっくらしてるじゃないか

※杖藜:アカザの杖

62:名無氏物語
07/02/06 22:28:29 URVROK77
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|    
          |i i|    }! }} //|     あ、ありのままに今起こったことを話すぜ
         |l、{   j} /,,ィ//|    Googleで『著作権ゴロ』を検索したら 
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ   一番上のページがJASRACだった
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |  
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人   な、何を言ってるか解らねぇと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ | ヽトiゝ   オレも何が起きたか解らなかった・・・
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ   著作権保護団体とか、NPOだとか
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ  そんなチャチなもんじゃ断じて無ぇ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \ 
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ  ・・・・もっと恐ろしいものの
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ )    片鱗を味わったぜ  
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ        

63:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/10 21:07:20 Zm3yTBt8
今、『十八史略』を読み返してます

人は儚いものですね
帝王であれ、庶民であれ、栄枯盛衰の果てに待つのはただ“死”のみ
自分の意思など、死の前にはあって無きが如きものです
では、死の前に、愛は真実でしょうか?

真実であって欲しいと、願う私はお馬鹿でしょうか

  by 項羽&虞美人

<項羽>
 力は山を抜き 気は世を蓋ふ
 時利あらず 騅逝かず
 騅の逝かざるを 奈何すべき
 虞や虞や 若を奈何せん

<虞美人>
 漢兵 已に地を略す
 四方 楚歌の声
 大王 意気尽く
 賤妾 何ぞ生に聊んぜん

64:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/10 21:09:08 Zm3yTBt8
<項羽>
 敵方の勢力は 既に我が軍を上回り
 もはやこれまで と言うしかない
 我が愛馬騅でさえ その事を覚って進もうとはしない
 愛する者よ 私はお前を無事守ってやる事さえ出来ないのか

<虞美人>
 ああ 既にこの国は漢のものなのですね
 四方を囲む敵陣から 楚の歌声が聞こえますもの
 あなたが嘆いておられるのを見るのは 辛く悲しい事ですわ
 どうぞ あなたの手で私の命を終わらせて下さいな


歴史にもしもはありませんが、二人が市井の夫婦であったなら、あるいは…

65:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/16 21:47:34 Hp9I8pm7
そこかしこから、梅の香が漂って来るようになりましたよ
漢詩では、梅は大変よく詠まれています
今日の詩もそのうちの一つです

  『梅花』  by高啓

瓊姿 只だ合に 瑤台に在るべし
誰か江南に向かって処処に栽えし
雪は山中に満ちて高士臥し
月明の林下に美人来る
寒に疎影に依るは 蕭蕭たる竹
春に残香を掩うは 漠漠たる苔
何郎の去りてより好詠無く
東風に愁寂として幾回か開きし


その美しさは 瑶地の女仙(玉女)のようだ
この江南の地のそこかしこに それを殖やしたのは誰だろう
雪の山中で独り暮らす高潔の士のように 凛として
名月の夜に庭園をそぞろ歩く美女のように 艶かしい 
花も枝葉も無い時でさえ その側には囁き続ける竹が寄り添い
花が終わってなお残る香りを 一面の苔が自らの裡へ抱き取っている
何遜が身罷って後は 良い詩が詠まれる事もなくなり
春誘う東風の中 この梅たちは何度寂しく咲いたのだろう

66:名無氏物語
07/02/17 18:25:28 Xkl9LFUh
この文章を見た人は2日以内に死にます。死にたくなければ、この文章を、コピペでもいいので100個のスレに書き込んで下さい。
これを守らなかった子が、何人も、交通事故で死亡しています。これは本当の話です。そのリストがありますので、見て下さい。

67:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/17 20:39:03 RI/n617y
これはまた、古いコピペですねえ
おなつかしやw
最近、また流行り出しているのでしょうか?

おやおや、事故が交通事故だけに限定されたのですか
では、改訂版ですね

どうせなら、この板らしく、古文か漢文でやれば皆さん喜ばれたのでしょうに
ああ、勿体無い…

68:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/17 20:42:18 RI/n617y
  『弘道館賞梅花』  by徳川景山

弘道館中 千樹の梅
清香馥郁 十分に開く
好文 豈に威武無しと謂わんや
雪裡春を占む 天下の魁


弘道館に植えられた沢山の梅は もう十分に開いていると見え
清々しい香りがふんわり優しく漂っている
文を好む事が 武士の力を失くしてしまうなどとは戯けた事
この雪の中に春を謳うが如き梅のように
我らもまた天下の魁となりたいものだ

69:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/24 18:53:03 Zvx5UN3X
今日のように寒い日は、沈丁花がよく匂いますよ
この後の花は、桃を思い浮かべる人も多いでしょうが、私は白木蓮の方に魅かれます
それで、木蓮の詩と思ったのですが、見当たりませんでしたので、代わりにこちらを

  『木蘭詩』  by無名氏(北魏)

喞々(そくそく) 復た 喞々
木蘭 戸に当たって織る
機杼の声を聞かず
惟だ 女(むすめ)の歎息を聞くのみ
女に問う 何の思う所ぞ
女に問う 何の憶う所ぞ
女に亦た 思う所無く
女に亦た 憶う所無く

昨夜 軍帖を見るに
可汗 大いに兵を点ず
軍書十二巻
巻々に 爺の名有り
阿爺に大児無く
木蘭に長兄無し
願わくは 為に鞍馬を市(あきな)い
此より 爺に替わって征かん

東市に駿馬を買い
西市に鞍薦(あんせん)を買い
南市に轡頭(ひとう)を買い
北市に長鞭を買い
朝に爺嬢を辞し去りて
暮には黄河の辺りに宿る

70:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/24 18:53:47 Zvx5UN3X
爺嬢の女を喚ぶ声聞こえず
但だ黄河の流水鳴って 濺々(せんせん)たるを聞くのみ
旦(あした)に黄河を辞し去りて
暮れには黒山の頭に至る
爺嬢の女を喚ぶ声聞こえず
但だ燕山の胡騎の声 啾々(しゅうしゅう)たるを聞くのみ

万里 戎機(じゅうき)に赴き
関山度(わた)って飛ぶが若し
朔気 金柝(きんたく)を伝え
寒光 鉄衣を照らす
将軍百戦して死し
壮士十年にして帰る

帰り来たって天子に見ゆれば
天子明堂に坐す
策勲十二転し
賞賜百千彊(きょう)なり
可汗 欲する所を問えば
木蘭用いず 尚書郎
願わくは 明駝 千里の足を馳せ
児を送りて故郷に還らしめよ

71:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/24 18:54:12 Zvx5UN3X
爺嬢は女の来たるを聞きて
郭を出でて相扶将す
阿姉は妹の来たるを聞きて
戸に当たって紅妝(こうしょう)を理(おさ)む
小弟は姉の来たるを聞きて
刀を磨きて霍々(かくかく)として豬羊(ちょよう)に向かう

我が東閣の門を開き
我が西閣の牀に坐し
我が戦時の袍を脱ぎ
我が旧時の裳を着け
窓に当たって雲鬢(うんぴん)を理め
鏡に対して 花黄を帖(つ)く
門を出でて火伴(かはん)を看れば
火伴 始めて驚惶(きょうこう)す

同行十二年
知らず 木蘭は是れ女郎なるを
雄兎は 脚 撲朔(ぼくさく)たり
雌兎は 瞳 迷離たり
両兎 地に傍(そ)うて走れば
安(いずく)んぞ 能(よ)く我は是雄雌なるを弁ぜん

72:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/24 18:55:22 Zvx5UN3X
訳してみましたよ

パタンパタンまたパタン
木蘭は戸口で機を織る
今日は機を織る音が聞こえない
ただ木蘭の溜息だけが聞こえてくる
木蘭に聞いた 誰を思っているの?
木蘭に聞いた 誰を憶いだしているの?
思っているのじゃない
憶い出しているのじゃない

昨夜 軍の召集名簿を見たの
王が大掛かりに兵隊を集めている
軍書十二巻
その巻には父の名前があった
大きな男の子がいなくて
木蘭には兄はいない
自分の為に鞍と馬を買って
父の替わりに出征できたら・・と願っている

東の市場で駿馬を買って
西の市場で鞍や鞍鞍を買い入れて
南の市場で手綱を買って
北の市場で鞭を買い入れた
朝、父や母と別れて
日暮れには黄河のほとりに宿っている

73:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/24 18:57:19 Zvx5UN3X
父母の木蘭を呼ぶ声は聞こえない
ただ黄河の流れる音が聞こえるだけ
夜明けには黄河を後に
夕暮れには黒山のほとりに着く
父母の木蘭を呼ぶ声は聞こえない
ただ聞こえるのは胡の馬の悲しい泣き声

万里も遠い戦場に赴き
山々を飛ぶようにやってきた
北からの風はドラの音を伝え
冷たい光が鉄の鎧を照らしている
将軍は百戦して死に
兵士は十年にして帰る

戦場から帰って皇帝にまみえると
天子は明堂に坐している
論功行賞十二階進み
百千余りの賞与をもらった
王は、なお、『欲しいものはないか』とお尋ねになった
木蘭は答える 『尚書郎は要りません
足の速いラクダをお与え下さい
私を故郷に帰して欲しいのです』

74:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/02/24 19:00:31 Zvx5UN3X
両親は 木蘭が帰って来ると聞き
城郭を出 寄り添いながら待っていた
姉は妹が帰ると聞いて 化粧を直し
弟は姉が帰ると聞いて
包丁を磨いてすばやく豚や羊に向かう

東の門を開き
西の寝台に腰掛けて
軍服を脱いで
昔の衣装を着けて
窓辺で豊かな黒髪を整え
鏡に向かい 花黄をつけた姿になり
門を出て戦友に会うと
彼はとても驚いた

共に過ごした十二年
知らなかった 木蘭が女であるなんて
雄兎は脚がふらついている
雌兎は瞳の視点が定まらないと言うが
二羽の兎が一緒に走る時
どうして雌雄が見分けられようか

75:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/03/03 22:44:05 phjyVgnb
今日は桃の節句☆
桃を詠んだ詩もけっこうあるのですよ
中でも、いろんな読み方が出来るこの詩は、私のお気に入りのひとつですw

  『人面桃花』  by崔護

去年の今日 此の門の中
人面 桃花 相映じて紅なり
人面 ただ今 何れの処か去る
桃花 旧に依りて春風に笑む

  (直訳)
去年の今日 この門の中で
娘と桃の花は 互いに競うように美しかった
彼女は今 どこへ行ったのだろう
桃の花だけが 昔のように春風に微笑んでいる

  (ルビー訳)
覚えているのは 去年の今日
満開の桃花の下 幸せそうに笑う君
僕らはいったい 何時から違う道を歩んでいたんだろう
愛を誓わなかった桃だけが 去年と同じに咲いている

76:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/03/10 21:08:36 ZoRqulyl
お久しぶりに、杜甫センセ、行ってみましたよ

  『絶句漫興 其五』  by杜甫

断腸す 江春 尽んとするの頭(ほとり)
藜を杖突き 徐ろに歩して 芳洲に立つ
顛狂の柳絮 風に随いて舞い
軽薄の桃花 水を逐いて流る

流れる河を取り巻く春が もう過ぎ去ろうとしている
なんと儚く 切ない事か
杖を頼りに ゆっくりと まだ花の残る中州に行ってみる
恋に狂った柳の綿は 誘われるまま風に舞い
恋を求める桃の花は 去り行く水を追い求める


ちゃんと訳すと、こんな風なんですが

川の辺りで 春の尽きようとするのを眺めていると 断腸の思いだ
それでも 杖をついてぶらぶらと 花の咲いている中州に立ってみる
物狂いの柳の綿は 風に乗って舞い
浮気者の桃の花は 水の流れを追っかけて去って行く

77:裵勇俊(冬のオイラ)
07/03/11 13:06:31 9mdNzxnp
       @ノノヽヽヽ@ ミ _ ドスッ
       ( 0^~^)─┴┴─┐
       /   つ   7 7 │
      /_____|└─┬┬─┘
        ∪ ∪    ││ _ε3


78:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/03/15 21:42:35 sP6pJffG
桃の花と言えば、李白のこの詩も良く知られていますよ

  『山中問答』  by李白

余に問う何の意ぞ 碧山に栖むと
笑って答えず 心自ずから閑なり
桃花流水 杳然として去り
別に天地の 人閒に非ざる有り

どうしてこんな僻地に住んでるの?って聞かれるけど
そんな時は笑ってるだけ
だって、ここじゃあくせくしなくていいんだもの
桃源郷から流れてくる花びらが 誰も知らない所へ行くように
都会の決まりと無関係な 自分らしい世界だからよ


ちゃんと訳せばこんな感じです、余り変わりませんけれどw

人が問う、君はどう言う訳でこんな深い山にいるのかと
ただ 私は笑う 心は長閑だ
桃の花びらは水に浮かび 何処か遠くへ流れて行く
ここには世俗とは異なった天地があるのだ

79:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/03/23 22:07:42 nHZgMeFa
もうすぐ4月です
新生活に入る人も多いのではありませんか

  『遊子吟』  by孟郊

慈母 手中の線
遊子 身上の衣
行に臨んで密々に縫う
意は恐る 遅々として帰らんことを
誰か言う 寸草の心
三春の暉に報い得んとは



優しい母が繕うのは 旅立つ我が子の服の数々
一針一針 万感の思いを籠めている
何時の日か 立派になって帰って来て欲しい
でも これが今生の別れになってしまったらどうしよう
期待と心配を繰り返しながら 黙って母は手を動かす
人が言う 心配は要らないと
風に弄られる小さな草でさえ
春の光を浴びれば それなりに花を咲かせるものだから

80:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/03/29 21:10:46 bt/FAYcz
ずいぶん寒さが和らぎました
春ですよ
春と言えば恋ですよ
真面目な詞も、読みようによっては恋の詞に出来ますね

  『采蓮曲』  by唐    賀知章

稽山 霧罷み 鬱として嵯峨たり
鏡水 風無きもまた 自ら波あり
言う勿れ 春度りて 芳菲尽きたりと
別に中流に荷花を采るあり

会稽山は霧も晴れ こんもりとそびえたっている
湖は 風がなくとも自らさざ波を立てている
言わないでほしい 春が過ぎたから美しい花々は尽きてしまったなどと
春とは別に 水の中でハスの花を摘み取ることができるのだから

81:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/03/29 21:12:12 bt/FAYcz
>>80をね、こんな風に変えちゃいましたw


やっかみや憶測を除けてしまえば
どっしり構えた本当のあなたが見えるわ
おかしなものね 噂にも上らない私なのに
何故か心が騒いでしまう
わかってないのね あなたがたは
恋多き女には奴なんか物足りないだろうって?
恋にセオリーはないのよ 
駆け引きは 見えない所でとっくに始まっているわ

82:名無氏物語
07/03/30 20:20:12 EajpRGXn
なんかバカみたいな人がやってるスレだな
こういうバカがもっと居れば漢文のファンも増えるだろうに

もったいない もったいない

83:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/03/31 22:32:24 WauODgmw
おや、久々のお客様でしたよ

感想どうもありがとうございます
宜しかったらまたお越し下さい
あなたのお好きな漢詩など教えて頂けると有り難いです

84:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/03 22:23:48 Iu0H4dpe
春なのに、今夜はずいぶん冷えますよ
こんな日はついつい人の温もりが欲しくなります
離れ離れの恋人さんたちは、とても切ない思いをしているのではありませんか?
少し前までは、ケイタイなどと言う便利グッズが普及していませんでしたから、その侘しさも
寂しさも一入だったと思いますね
その、女性の気持ちを李白がこんな風に詠っています

  『春思』  by李白

燕草は 碧絲の如く
秦桑は 綠枝を低(た)る
君の帰るを 懷(おも)う日に当るは
是れ 妾(しょう)が断腸の時
春風 相い識(し)らず
何事ぞ 羅幃(らい)に 入れる

85:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/03 22:25:37 Iu0H4dpe
普通に訳せばこんな感じです

北国である燕国の草は 緑色の糸のように生えて春を迎えたことでしょう
ここ長安の桑は もう緑色の枝を重そうに垂らしています
あなたが故郷へ戻れるだろうと考えていた日は
私が腸(はらわた)を断ち切られるばかりの辛い思いをする時です
春風は親しい顔見知りの誰かではないのに 
どうしたことか 私の寝床の羅幃(薄絹のとばり)の内に入って来るのです


で、私がアレンジするとこんな風に・・・

春の遅い北国 燕国でさえ 春草が緑の糸のように萌えている事でしょう
長安の桑は もう濃い緑の葉が生い茂り 枝が重たげに垂れています
あなたが戻る筈だった日は 次第次第に遠ざかり
ただ待つこの身は遣る瀬無く 虚しい思いで過ごすばかりの日々
春風は そんな私の気持ちを察してくれたのでしょうか
心を覆う愁いの帳を ふわりひらり 吹きそよがしてくれました

86:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/09 21:59:56 Kr7Z49ZW
こんばんは、ですよ
今日の詩は、春の詩の中でもよく知られているでしょう
どうか、怒らないで下さいねw

  『春夜』  by蘇軾

春宵一刻 値千金
花に淸香有り 月に陰有り
歌管 樓臺 聲寂寂
鞦韆 院落 夜沈沈

春の夜は一刻千金の値打ちが有る
花は清々しい香りを放ち 月は朧に霞んでいる
歌や管絃で賑やかだった楼台も 今は静まりかえっている
ぶらんこのある中庭に夜はしんしんと更けていく

87:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/09 22:01:14 Kr7Z49ZW
さあ、勝手に訳すと、こんな風になりましたよw


春の夜更けは とても味わい深い
冬を耐えた草木が花を咲かせ 良い香りを辺りに漂わせるように
刃のように輝いていた月も 何時しかふんわり穏やかに
さっきまではしゃいでいた子供達が 夢の世界に落ちてしまえば
家の中は嘘のように静かだ
ブランコのある庭を見ながら グラスを傾ける
穏やかに更け行く夜

88:名無氏物語
07/04/12 00:17:12 TgVbBxgp
春望

国敗れて山河あり

 城春にして草木深し

  時に感じては花にも涙を流し

    鳥にも心驚かす

     烽火三月に連なり家書万鈞にあたる

      白頭掻けば更に短く

       全て心に耐えざらんとほっす
                       杜甫


89:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/12 00:44:13 hX4VbAHy
国は都長安までもが破壊され ただ山河のかたちを残すのみ
↑をお節介にも訳してみましたよw

春になった街中は 草木が茫々と生い茂り 荒れ果てている
人の世は戦乱が相次ぎ 時節すら定かではない
にも関わらず 自然は変わることなく春を告げる
国家の運命を嘆く身は 春の麗しい花を見ても涙がこぼれ
家族との別離を恨む身は 自由に飛び交う鳥を見ても心が痛む
戦火が三ヶ月も続いている中で 家族から届く便りは掛替えのない物だ
苦労で老けた白髪頭を掻けば 髪は一層短く少なく
ほとんど 簪を挿すにも耐えないようになってしまった


で、もひとつお節介なのですが、
 >心に耐えざらん
この部分、心情的にはとてもよく判るのですが、本当は
 >簪に勝へざらん
なのですよ

90:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/12 00:46:01 hX4VbAHy
おや、ちょっと変なことになってますね
失礼
改めますね

国は都長安までもが破壊され ただ山河のかたちを残すのみ
春になった街中は 草木が茫々と生い茂り 荒れ果てている
人の世は戦乱が相次ぎ 時節すら定かではない
にも関わらず 自然は変わることなく春を告げる
国家の運命を嘆く身は 春の麗しい花を見ても涙がこぼれ
家族との別離を恨む身は 自由に飛び交う鳥を見ても心が痛む
戦火が三ヶ月も続いている中で 家族から届く便りは掛替えのない物だ
苦労で老けた白髪頭を掻けば 髪は一層短く少なく
ほとんど 簪を挿すにも耐えないようになってしまった

91:名無氏物語
07/04/12 02:05:28 uiChTbRW
9条は改憲してはならない。日本の為にならない。
日本人ではない朝鮮総連や民団でさえ、日本を心配して改憲への反対運動を行ってくれている。
私は日本人だが、「改憲すべき」などという者は、日本人として彼らに恥ずかしいと思います。

Q.中国から身を守る為、戦争に対する抑止力が必要では?
A.前提から間違っています。そもそも、中国は日本に派兵しようと思えばいつでもできました。
  なぜなら、日本は9条があるため、空母や長距離ミサイル等「他国を攻撃する手段」がない。
  つまり、日本に戦争を仕掛けても、命令をだした幹部の命や本国の資産は絶対に安全なのです。
  にも関わらず、中国は、今まで攻めずにいてくれたのです。

Q.日米安保も絶対ではないのでは?
A.いえ、絶対です。
  知り合いの韓国人の評論家もそう言っていますし、私も同じ考えです。
  そして日米安保が絶対なら、日本を攻める国はなく、改憲の必要はありません。
  米国と戦争をしたい国はないからです。

Q.9条が本当に平和憲法なら、世界中で(日本以外に)1国も持とうとしないのはなぜか
A.誤解を恐れずに言うなら、日本以外のすべての国が誤っているとも言えます。
  「敵国に反撃できる手段を持つ国は攻められづらい」というのは、誤った負の考え方です。
  (もっとも韓国や中国の軍に関しては、日本の右傾化阻止の為でもあるので例外ですが)
  さらに日本の場合、隣国が韓国・中国・ロシアと、GDP上位の安定した国ばかりです。

憲法改正議論は日中関係の妨げにならないだろうか?
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【地域/京都】電光掲示板で「平和大好き!憲法9条変えないで!」…JR京都駅前
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92:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/13 23:02:48 3iBcbMw4
>>91
わざわざコピペして下さってありがとうございます
でもね、たまーに思います
このような能天気な事を宣う方々は、かの国が誇る名著『六韜』を目にした事がないのだろうなと

ま、それはさておいて、ここは一応漢詩を扱うスレなので、以後は無用に願います

93:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/13 23:06:13 3iBcbMw4
さて、今日の詩もちょっと有名ですよ

  『送元二使安西』 by王維

渭城の朝 雨 軽塵を潤す
客車の音 青柳 色新たなり
君に勧む 更に尽くせ 一杯の酒
西のかた 陽関を出れば 故人無からん

渭城に降った朝雨に 土埃は潤されたし
旅館の前の 柳の新緑もきれいに見える
君にもう一杯 酒を勧めよう
この陽関より西に 君の知り合いは居ないだろうから


ルビー風ではこんな具合に…

雨が 渭城の町の埃を洗ってくれた
建物も 柳並木も 今朝は生き生きしている
旅立つ君と 餞(はなむけ)の盃を交わそう
これより西は蛮地になる
願わくば無事戻り来たれ 我が友よ

94:名無氏物語
07/04/14 10:38:24 FQb65IXA
何で日本人は中国の漢字が使ってる?
スレリンク(china板)


95:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/14 10:58:03 9fmUVH9G
>>94
漢字だけではねーですよ?!
アラビア数字もアルファベットも、ギリシャ文字だって取り入れて使ってますよ?
それに中国から入れた漢字の他に国字も作ってますし、漢字を変形させてかな文字も作ってますよ

良いものは、国や人種を超えてイイ!
だからこそ世界に広まっているんだ
そう思ってどっしり構えてこそ『大人(たいじん)』なのではねーですか?

それから、自分の言いたい事は自分の言葉で述べねーと、全然意味ねーですよ

96:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/14 11:10:53 9fmUVH9G
ああ、漢詩スレで関係ねー話をするのは伯母加算な事ですよ…って書き忘れましたorz

ま、気を取り直して、勝手に解釈続けますよ
雄大な物を端的に表現する
これって、盆栽にも匹敵する“すげーコト”だと思いますね

  『龍門』 by杜甫

龍門 野に横たわりて絶え
駅樹 城を出でて来たる
気色 皇居近く
金銀 仏寺開く
往来 時しばしば改まり
川陸 日に悠なるかな
相閲す 征途の上
生涯 幾回か尽くす


何処までも広がる野辺に 昂然と聳える龍門
城内から城外へ 道は果てなく続く
雅な雰囲気溢れる皇都
ここでは 仏寺さえ 金銀で華やかに彩られる
積もる月日の中で 私は何度この門を往来しただろう
目に映る景色は 昔のまま 悠々として変わらない
時には 旅の人と目が合う事もあるけれど
その人は 生涯で何度ここを往来するのだろう

97:名無氏物語
07/04/14 11:23:50 tVlP9i8N
白居易の琵琶行

98:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:13:41 uOMyvNcp
>>97
リクエストありがとうございます
大変お待たせしましたよ

ただ、実はこの詩、まだあまりこなれていないので、ほぼ直訳です
申し訳ねーですよ
いつか機会があれば、もちっとルビー風に改めますのでご勘弁を

それと、これ、結構なげーので、勝手にブチブチ切ります
そこんとこ宜しくですよ

でわでわ

99:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:14:04 uOMyvNcp
  『琵琶行』  by白居易

潯陽江 頭 夜 客を送る
楓葉 荻花 秋 瑟瑟
主人は 馬より下り 客は 船に 在り
酒を舉げ 飮まんと欲すも 管絃無し
酔 成さずして 歓 慘として将に別れんとす
別るる時 茫茫として 江は月を浸す
忽ち聞く 水上 琵琶の聲
主人は帰るを忘れ 客は発せず。
声を尋ねて 闇に問う 弾く者は誰ぞと
琵琶 声 停みて 語らんと欲して 遅し
船を移し 相い近づきて 邀えて相い見
酒を添え 燈を迴らし 重ねて宴を開く
千呼 萬喚 始めて 出で来たり
なお 琵琶を抱き 半ば面を遮る

100:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:14:26 uOMyvNcp
潯陽江(長江)のほとりで ある夜 知人の送別会を開いた時の事
色付いた楓や 萩の花に 秋風がもの寂しく吹いている
自分(主人)が馬を下りた時 知人はもう船の中だった
盃を挙げ 酒を酌み交わしたが 音楽がなかったので
酔うに酔えず 楽しめないまま 宴はひっそりお開きになった
別れ際に辺りを見れば 果てしなく広がる潯陽江に 今しも月が沈もうとしている
その時だった 水上を琵琶の音が走った
自分も 知人も 足が止まった
琵琶の音のする暗がりに問うてみる 「琵琶を弾いておられるのは誰方ですか?」と
琵琶の音は止んだが 返事はなかなか返って来ない
それで 船を動かし 近づいてみて 弾き手を此方に招く事にした
酒を追加し 灯りを増やし 「もう一度宴をやり直したいんだ」と言って
何度も呼びかけ 頼んで ようやくその人が姿を現した
しかし その人は それでもなお 琵琶を抱え込み 顔を半ば隠すようにしている

101:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:14:57 uOMyvNcp
軸を 轉(し)め 絃を 撥いて 三両声
未だ 曲調を成さざるに 先ず 情有り
絃絃 掩抑して 声声に思い
平生 志を得ざるを 訴うるに似たり
眉を低れ 手に信せて 續續と彈き
説き盡くす 心中無限の事

102:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:15:19 uOMyvNcp
演奏前に弦の調律をし 二・三の音を出してみる
ただそれだけで まだ曲ですらないのに もう心が動いている
どの糸の音も抑えられているのに 籠められた情が感じ取れる
まるで 不遇な日々の恨みが 抑えきれずに溢れるように
菩薩のように柔和な表情で 思いのまま 次から次へ
まるで 我々の心中の 尽きせぬ思いを汲むかのように

103:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:15:55 uOMyvNcp
軽く*締め 慢く撚りて抹み 復た挑い
初めは霓裳を為し 後は綠腰リ
大絃は *騒騒として 急雨の如く,
小絃は 切切として 私語の如し,
騒騒と 切切と 錯雜して彈き
大珠 小珠 玉盤に 落つ
間關たる 鶯語 花底に滑かに
幽咽せる泉流は 氷下に難む
氷泉冷澀して 絃 凝絶し
凝絶通ぜず 声 暫し歇(や)む
別に 幽愁の暗恨 生ずる有り
此の時 声無きは 声有るに勝る
銀瓶 乍ち破れ 水漿迸(ほとばし)り
鉄騎突出して 刀槍鳴る
曲 終らんとして 撥(ばち)を收め 当心を書き
四絃 一声 裂帛の如し
東船 西舫 悄として 言(ことば)無く
唯だ見る 江心に 秋月の白きを

*締め…本当は 手偏に龍 です
*騒騒…本当は 口偏に曹 です

104:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:16:19 uOMyvNcp
左手と右手が繰り出す あらゆる技
初めは『『霓裳羽衣』を奏し 後は六幺『綠腰』を演ずる
太い弦は騒々しく 夕立が降り掛かるように
細い弦はひそやかに まるで内緒話を囁くように 
この二つの音が入り乱れ 絡み合って 曲になる 
大小の真珠が 大皿に散らばり落ちる音のように
滑らかなウグイスの声が 花々の間を流れるように
微かな湧き水が 氷の下で時を待つように
弦の音は 泉が凍てついて行くように 次第次第に滞り
やがて ぱったり途絶えてしまう
この無音の間に 我々の心に秘めた憂いが 恨みとなって湧き上がる
ああ 静寂は雄弁に勝るのだ
白銀の器が 突如割れ その中身が辺りに迸り出るように
鉄の鎧に覆われた馬が突撃し 剣戟や時の声が辺りに響き渡るように
曲の終わりに 撥を払って 琵琶の中程が掻き鳴らされ
四本の弦は 一斉に 激しく鳴り響く
ふと見渡せば 周りの船は ひっそりと静かで
ただ 潯陽江の真ん中に 秋の月が白く輝いているばかり

105:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:16:50 uOMyvNcp
沈吟して 撥を 放ち 絃中に挿(さしはさ)み
衣裳を整頓し 起ちて容(かたち)を斂(おさ)む
自(みづか)ら 言う 本(もと)是れ京城の女
家は 蝦蟆陵下に在りて住む
十三に 琵琶を学び得て成り
名は 教坊の第一部に屬す
曲 罷(おわ)りては 曾(かつ)て 善才をして伏さしめ
粧成りては 毎(つね)に 秋娘に妬(ねた)まる
五陵の少年 争いて纏頭し
一曲に *紅絹は数知れず。
鈿頭の雲篦は 節を撃ちて砕け
血色の羅裙は 酒を翻(ひるがえ)して汚(けが)る
今年の歓笑 復た明年
秋月 春風 等閒に度(す)ぐ

*紅絹…本当は 紅せう。せうは 糸偏に肖 で生絹の事です

106:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:18:03 uOMyvNcp
最後の一節を静かに歌い終わると 撥を弦の中へ収め
演者は衣装を整え その形を改めた 
そして語るには 自分は元は都にいたのだと
蝦蟆陵下と言う所に家があって そこに住んでいた
十三歳の時には 既に琵琶の腕は一流で
その名は 教坊(※教室)でも常に上位にあった
曲の演奏が終わった後 師匠を感服させた事もあった
化粧したなら いつも杜秋娘(※美妓)に妬まれた
五陵に住む金持ちの若者は 競って私に金品を贈って来たし
曲が終わる度毎の紅い絹の心付けは それこそ数え切れない程
螺鈿の笄は 拍子を取るのに使って壊してしまうし
紅の薄絹のスカートは いつも酒を零して汚れている
そんな歓楽の日々が何年も続いていた
秋の月や 春の風 季節の風物を眺め 漠然と送る日々

107:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:18:23 uOMyvNcp
弟は走りて 軍に従い 阿姨は死し
暮去り 朝(あした)来たりて 顏色故(ふ)る
門前 冷落して 鞍馬稀(まれ)に
老大 嫁して 商人の婦(つま)と作(な)る
商人は 利を重んじて別離を軽んじ
前月 浮梁に 茶を買いに去る
江口に去来して 空船を守り
船を遶(めぐ)る名月に 江水寒し
夜 深くして 忽ち夢むは少年の事
夢に啼けば 粧涙 紅 闌干たり

108:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:18:47 uOMyvNcp
その内に 弟は従軍し 阿姨(※妓女達を監督する女性)は死し
月日が過ぎ去った分 自分の容色は衰えてしまった
人で溢れた門の前は 落ちぶれて 馬で来るような上客も稀になった頃
そろそろいい歳になったので 嫁に行き 商人の妻となった
商人と言うものは 利益が一番で情愛は二の次なので
別れて暮らす事を何とも思っていない
その夫は 先月 浮梁に 茶を買いに行ったまま
私は川辺を行き来して 主の居ない船を守っている
月明かりに誘われて 船をめぐらせて見たものの
やはり川の水は寒々としている
夜更けにまどろめば すぐ 若かった日の事ばかり夢に見る
夢の中で泣けば 本当の涙が 化粧の上をとめどなく流れて行く

109:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/15 11:20:24 uOMyvNcp
以上、お粗末で申し訳ない事ですよ

しかし、この『琵琶行』、詩って言うよりラノベっぽくねーですか?

110:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/22 15:14:45 UVKvAhzV
最近、“花散らせ”が多い事ですよ
しかし、それはまた、新たな花を呼ぶ“誘い”でもあるのですが

  『金陵圖』  by韋莊

江雨 霏霏として 江草 齊(ひと)し
六朝 夢の如く 鳥 空しく啼く
無情 最も是れ 臺城の柳
舊に依りて 烟を籠む 十里の堤


長江に雨がしとしとと降り、岸辺の草は同じように生え揃っている
六朝の栄華は夢のようで 今は鳥が空しく鳴いているだけ
悲劇の歴史を知りながら 情が無いのは 宮城の柳
昔と変わらず 十里の堤を緑色の霞で包んでいる

ちゃんと訳せば↑ですが、もちっと捻ってみましたよ

 雨が静かに降っている 
 春深く 青々と茂る草木の上にも ただ静かに降っている
 幾つもの王朝がここを都とし 栄え 滅んでいった
 その栄華を偲ぶものは何一つ無く 
 かつての人々のざわめきの代わりに 今は小鳥達が啼き交わす
 移ろう時に拘る事無く 泰然と過ごす城址の柳
 自らの 廻り来たる季節のまま 
 今年もまた 十里の長い堤を新緑で覆い尽くす

111:名無氏物語
07/04/22 15:41:36 67TfGypN
111

112:名無氏物語
07/04/23 19:02:33 SeHaEMbh
何で日本人は中国の漢字が使ってる?
スレリンク(china板)


113:名無氏物語
07/04/23 20:06:20 9S4WjtYz
>>112
>>94で概出
同じスレへ何度も同じ物を貼ってどうするの?
リロードぐらいしなさい
頭が悪いって白状してるのと同じだよ

114:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/26 23:19:09 AktdxO9l
早いもので、もう数日もすれば季節は初夏へと移ってしまいますよ
春の名残を惜しめるのは、あと少しだけ
季節は幾度も巡りますが、今はこの瞬間しかないのです

今日はちょっとしみじみ、杜牧さんと物思いしてみましょうか

  『漢江』  by杜牧

溶々漾々として 白鴎飛び
綠淨く 春深くして好く衣を染む
南去北来 人自ずから老い
夕陽長く送る 釣船の帰るを

115:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/26 23:21:58 AktdxO9l
漢江は盛んに波立ち流れ その上を白い鴎が飛んでいる
緑色の清らかな流れは 晩春の色であり衣を染める程である
しかし世の人は南へ北へと忙しく往来し いつの間にか老いて行く
西に傾いた太陽に照らされ 戻って来る釣り船の影が長く伸びている


もうちょい、オカルティックにやってみますよw

漢江は滔々と流れ続け 白いカモメがいつものように飛んで行く
碧玉のようなその色は 川が纏った晩春の色だ
しかし 多くの人々は四季の移ろいに心を留める事無く
日々を 徒にあくせく駆けずり回り
身の上の歳月に気が付かないまま ただ老いて行く
悲しくも 振り返れば もはや既に夕暮れ
残照を受け 魂の舟は人生の水面に影を長々引きながら
まもなく 帰るべき処へ帰ろうとしている

116:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/30 15:24:29 s92rTnwu
今日の日差しはまるで初夏、初夏と言えば牡丹ですよ

  『清平調 三首之二』  by李白

一枝の紅艷 露 香を凝らす
雲雨 巫山 枉(むな)しく斷腸
借問す「漢宮 誰か似たるを得ん」
可憐の飛燕 新粧に倚る

一枝の紅の牡丹に降りた露は 香を凝聚させたようである
楚の襄王は夢で巫山の神女と契り 覚めては虚しく断腸の思いをした
少しお尋ねするが 漢代の宮中では誰がこの牡丹に似通っているだろうか
可憐な趙飛燕が美しく装ったような あの牡丹の花に

117:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/04/30 15:31:56 s92rTnwu
上の訳をもう少し、私風にふくらませますよw

誇らかに咲く 紅色牡丹一輪
その高い香りを凍らせたような露が
花の上できらきら煌いている
巫山の神女との契りは 覚めれば虚しい夢だが
ここには夢ではない 美しい女性達が居る
少し尋ねてみようか
この宮中に あの牡丹に似た美しい女性は居ますか
趙飛燕が艶やかに美しく装い 凛として佇む風情のある人は

(余談ですが、この歌は楊貴妃の美しさを、漢の成帝の寵妃・趙飛燕に例えています
 しかし、飛燕は後に寵を失っているので、この詩は貴妃に対する不敬の作と見做される
 事になり、李白失脚の一因になったと言われています)

118:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/08 21:06:18 oT955XM+
この季節、草も萌えますが、恋心も萌えますねえ
今も昔も変りなく、人は恋してきたのですね
中国には、詩経と呼ばれる、紀元前9世紀から8世紀頃にかけての詩を集めて成された
書物があります
そこには、こんな詩もあるのですよ

  『狡童』  by詩經

彼(か)の狡童(こうどう)は
我(われ)と 言(かた)らず
維(ただ) 子(し)の故(ゆえ)に
我(われ)をして 餐(さん)する能(あた)わざらしむ

彼(か)の狡童(こうどう)は
我(われ)と 食(く)わず
維(ただ) 子(し)の故に
我(われ)をして 息(いこ)う能(あた)わざらしむ



あの顔が美しくて心が邪な男の人は
私と言葉を交わしてくれない
ただ あの人故に
私は食事が出来ない

あの顔が美しくて心が邪な男の人は
私と一緒に食べようとしない
ただ あの人故に
私は安らぎを得られない

119:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/08 21:09:08 oT955XM+
さて、ちょいと訳をいじりますよw

ちょっと気になるイケメンは
いつも私に素っ気ない
話なんかもしてくれない
そんな彼が気になって
御飯が喉を通らない

ちょっと気になるイケメンは
いつも私に素っ気ない
食事も一緒にしてくれない
そんな彼が気になって
あれもこれも上の空


昔から女の子は、ちょいワルのイケメンに弱いって事ですね

120:名無氏物語
07/05/09 00:21:07 y0U1KncD
二松馬鹿の餌

つ「二度目の還暦」



121:名無氏物語
07/05/10 02:44:23 UpqHA2ny
詩経だったか、楚辞だったか。


「且」の字が用いられてる詩で普通はそのまま「かつ」と読むんですが。


実はこの「且」は男性性器の象形文字だったと判明したとか。


なんの詩だったか誰かご存じだったら教えて下さいませ。

122:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/10 21:02:32 Yicu/KUH
こんばんはですよ

>>121
お探しのものかどうかわかりませんが、こんなものがあります

  『山有扶蘇』  by詩経

山有扶蘇 *湿有荷華  (山に扶蘇有り 湿に荷華有り)
不見子都 乃見狂且    (子都を見ず   乃ち狂且を見る)

山有喬松 *湿有游龍  (山に喬き松有り 湿に游龍有り)
不見子充 乃見狡童    (子充を見ず    乃ち狡童を見る)

*の湿の字は、本当はさんずい偏と、日の下にいとがしら2個、その下に連火を書く旧字体です

扶蘇:植物の名ですが、よくわかりませんでした
荷華:ハス
游龍:イヌタデ

123:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/10 21:06:13 Yicu/KUH
>>122を訳すと、こんな感じですね

山にはランが咲いていて 川にはハスが咲いている
すてきな彼を探しに行ったら ヤリたいだけの野郎が居た…

山には高いマツがあって 川には可愛いイヌタデがある
誠実な人を探しに行ったら 不実の極みだけがそこに居た…


   ( Θ_Θ) はぁ…イイ人何処かにいないかしら…?

そんな女の子の溜め息が聞こえて来そうで、個人的にとても好きな詩です

124:名無氏物語
07/05/14 03:34:37 Qbcrex7z
>>121です
>>122>>123
まさにそれです!!確か鄭風にあるんですよね?ありがとうございます!!

125:名無氏物語
07/05/15 20:19:33 dhiwaP8Q
『無根樹』詩  張三丰真人 道教丹詩

第一首

無根樹、花正幽、貪戀榮華誰肯休。浮生事、苦海舟、蕩去漂來不自由。
無邊無岸難泊繋、常在魚龍險處遊。肯回首、是岸頭、莫待風波壊了舟。

拙訳

無根樹、花正に幽れたり、貪恋の栄華誰が休むのを肯じよう。浮生の事は、苦海の舟、蕩去漂来に不自由す。
無辺無岸は繋ぎ泊め難し、常に魚龍険しい処に遊ぶ在り。後ろを肯ずれば、是れ岸頭、風波に舟が壊れるのを待つこと莫れ。


花(はな)正(まさ)に幽(かく)れたり、肯(がえん)じよう、莫(なか)れ
貪恋=恋恋とする事

126:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/15 21:56:47 MZtiab3U
>>125
こんばんは、ようこそお出で下さいました
すてきな詩をありがとうございます
道教の丹詩と言う事ですから、きっと深い意味があるのでしょうね
いつか自分なりに訳してみたいものですよ

さてさて、今夜お送りするのは、ちょっと時期ハズレの晩春の詩です

  『柳花詞 其一』  by劉禹錫

開くこと緑条の上よりし
散じて香風の遠きを逐う
故(ことさら)に花落つるの時を取り
悠揚として春晩を占む

127:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/15 21:59:46 MZtiab3U
まずは普通に訳しますよ

柳絮(りゅうじょ)は 緑の枝から白く柔らかな花を開き
花の香りを追う様に 風に乗って飛んでゆく
多くの花が散る時を殊更に選び
ゆったりと晩春の主役を演じている


それをルビー風に致しますと、このようにw

いろんな花が終わり 周りが少し落ち着いた頃
華やかに淑やかに現われ ふんわりと香る
散り際は鮮やかに潔く 風に乗って遠ざかる
殊更に他の花と競い合う事無く
悠々と独り賛辞を受けている

128:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/19 21:22:08 aY5UbmJo
さてさて、天気の定まらない事ですよ
本当は、一番爽やかな季節ですのにね
傷春と言うのはこう言う事でしょうか

女性ならではの心の動きを、李淸照がこんな風に詠んでいますよ

  『好事近』  by李淸照

風 定(しず)まりて 落花 深く
簾外 紅を擁して 雪を堆(つ)む
長(とこしえ)に記す 海棠(かいどう)開きし後
正に是れ 傷春の時節

酒 闌(つ)き 歌 罷(や)み 玉尊(ぎょくそん)空しく
靑き缸(ともしび) 暗(ひそ)かに明滅す
魂夢 幽(ひそやか)かなる怨に 堪えず
更に 一聲(いっせい)啼くホトトギス

129:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/19 21:22:50 aY5UbmJo
直訳しますね

吹いていた強い風が収まり 散り落ちた花びらがうず高い
窓の外は赤い花びらが まるで雪のように積もっている
とこしえに覚えている カイドウの花が開いた後の情景を
まさに 春の憂いの時期そのものだった

酒が尽き 歌が止み 美しい酒器も空になった
青く輝く灯火が ひっそりと明滅する
夢の中の魂は 心に秘めた恨み言を我慢出来ない
その上に 更にホトトギスが一声 悲しみを告げる

130:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/19 21:25:25 aY5UbmJo
さて、もうひとひねりw

あなたを亡くした悲しみが ほんの少し静まって
見渡せば 追憶に埋もれた私がここに居る
思い出箱を紐解けば あなたと過ごした日々は
降り積もる雪のように 上へ上へと重なって行く
今もはっきり覚えている 初めてあなたの手で女になった日を
含羞と喜びとが綯い交ぜになった まさに春の憂いそのもの

お酒を飲むのも 歌うのも 何でもあなたと一緒だった
人生の楽しみは 全てあなたと私のものだった
美しい玉の酒器より 素晴らしいあなたの笑顔がそこにあった
今は独り 何をしても独り
逢いたくて 胸の奥で 情念の青い炎がちろちろ燃えている
愁いながら眠りに就けば 夢の中の魂は 遮るもの無く解き放たれ
心に秘めた悲しみが 鳥になって 一声叫ぶ
「不如帰!」


最後の語句は、あなたの心のままに

131:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/22 21:14:02 Ydul3di1
5月もあと1週間ばかりでお終いですよ
この時季、日本では爽やかな良い季節なのですが、昔の中国では、五月と言うのは『悪月』と
されていました
だから端午の祭りを行い、厄払いを行う事になっていたのですね
死者でさえ、五月生まれの霊魂(5月に亡くなった人の魂)は大変凶暴で、十二分な供養が
必要とされていたくらいです(笑
そんな五月を、あえて美しく詠んだのが今日の詩です

  『五月』  by李賀

雕玉 簾額に雄し
輕穀 虚門を籠む
井に汲む 鉛華の水
扇に織る 鴛鴦の紋
回雪 涼殿に舞い
甘露 空緑を洗う
羅袖 徊翔に従い
香汗 宝粟 潤う

132:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/22 21:15:21 Ydul3di1
普通に訳しても、十分綺麗です

彫刻のある玉を 簾(すだれ)の重石にし
薄布(うすぎぬ)で 開け放しの入口を覆い隠す
井戸で化粧の水を汲もう
扇に織り込まれているのは 仲睦まじい鴛鴦(おしどり)模様
白い衣装が 雪のように宮殿に舞えば
窓から降り注ぐ甘露が 乾いた緑の葉を洗う
透ける衣の長い袖は 舞い手に従いひらひらと
美しい人の香(かぐわ)しい汗は 宝玉の粒のように肌を潤す

133:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/05/22 21:16:28 Ydul3di1
さて、私の駄訳は、このように


未だ夏ではないけれど 一足先に模様替え
風で簾がそよがないよう 飾り玉を裾に付け
開け放した扉は レースのカーテンで隠しましょう
冷たい井戸水で肌を引き締めれば お化粧乗りもばっちりね
夏の必須アイテム扇子には 清流で遊ぶ鴛鴦の刺繍
雪色のお仕着せをまとい 清涼殿をあちらへこっちらへ
通り雨が 埃にまみれた庭の樹木のシャワーになるわ
宮女達のシースルーの袖が 彼女らの往来につれて翻る
その肌を伝うのは 宝玉の粒のような芳ばしい汗

134:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/01 00:01:36 GeQgGEFe
明日からいよいよ6月ですよ
梅雨空としばらくお付合いすることになるのですね

と言う訳で、雨の詩をひとつ

  『浪淘沙令』  by李煜

簾外に雨潺潺(せんせん)たり
春意 闌珊(らんさん)たり
羅衾は耐えず 五更の寒きに
夢の裏(うち)に 身は是客たることを知らずして
一餉(しばし)歓びを貪りぬ

独り自ら 欄に憑ること莫れ
無限の江山
別るる時は容易にして 見ゆる時は難し
流水 落花 春去りゆきぬ
天上 人間(じんかん)

135:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/01 00:02:55 GeQgGEFe
直訳しますね

簾の外 雨は降りしきる
春の気配は やるせなく衰えて行く
薄絹の夜具に 耐え難い明け方の寒さ
夢の中では 己が放浪の境遇であることを忘れ
しばしの歓びに浸ったものを

独りで欄干に寄りかかって眺めるのはよそう
無限に連なる山や川
別離は簡単にやって来るが 巡り合いは滅多に無い
流水や落花と共に春は過ぎ去ってしまった
天上と人の世の隔たりのように

136:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/01 00:05:24 GeQgGEFe
ふふふ、さあ曲訳しちゃいましょうw

窓の向こうは降りしきる雨
遠ざかる春の気配が切なくて
冷めたさに 暖かな肌を求めた 虚しい夜明け
あなたの腕の中にいたのは 夢の中
戻らない日々の追憶

頬杖をついて 外を眺めていてもしかたない
無限に連なる山河のように 時は刻々過ぎて行く
別れはあっけない 邂り逅いは難しいのに
水が流れ去るように 花が落ちてしまうように
あなたと私の恋は終わった
今ではもう 天上と人の世の間程 遠い遠い物語

137:名無氏物語
07/06/13 02:32:42 5tMTDh65
『詩経』鄭風の「山有芙蘇」の「且」についての論文を探してます。知ってる方いましたら教えて下さい。

138:名無氏物語
07/06/13 07:39:21 GDBw0LOY
>>137
URLリンク(search.yahoo.co.jp)

ここ、質問スレじゃないから
1 :ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2006/10/08(日) 17:02:18 ID:Mvo6jYzp
漢詩を『我的翻訳』してみます

<注意>
スレ主が書き込むのは、決して正当な訳文ではありません
漢詩そのものも、IMEでは出ない漢字が有る為、当て字になっていたり、
読み下しも全くの適当、つまりデタラメです
なので、他人様の役にはちっとも立ちません
悪しからずご了承ください

139:名無氏物語
07/06/13 09:56:22 OvOoHQqt
>>137
山有扶蘇
隰有荷華
不見子都
乃見狂且

傳は「且」を辞也としている。
筑摩書房の「詩経国風」128頁では
訓読してない。意味不明の言葉。

URLリンク(library.muzi.com)
上記頁では「“且”字一定要譯為“雞巴”、譯為“**”字,才不失原意。」
としている。

140:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:41:57 Urk0mX7Z
おや、留守中にお客様でしたか
どうも失礼致しました

>>137
いい資料が見付かると良いですね

>>138>>139
どうもありがとうございました

さてさて、今日はちょっと大物うpしちゃいましょうか

白居易の『長恨歌』です
では参りましょうか、ふふふふふ♪

141:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:42:18 Urk0mX7Z
  『長恨歌』  by白居易

漢皇 色を重んじて 傾国を思う
御宇 多年 求むれども得ず
楊家に 女(むすめ)有り 初めて長成し
養われて 深閨に在り 人 未だ識らず
天生の麗質は 自(おのづ)から棄て難く
一朝 選ばれて 君王の側(かたわら)に在り
眸を回して一笑すれば 百媚生じ
六宮(りくきゅう)の粉黛 顏色無し
春 寒うして 浴を賜う 華清の池
温泉 水 滑かに 凝脂を洗う
侍兒 扶け起こすに 嬌(きょう)として 力 無し
始めて 是れ 新たに恩澤を承けしの時

142:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:42:44 Urk0mX7Z
雲鬢 花顏 金歩搖
芙蓉の帳 暖にして 春宵を度る
春宵 短きを苦しみて 日 高くして起きる
此れ従り 君王 早朝せず
歓を承け 宴に侍して 閒暇(かんか)無く
春は 春遊に従い 夜は 夜を專らにす
後宮の佳麗 三千人
三千の 寵愛 一身に在り
金屋 妝(よそお)い成して 嬌として 夜に侍り
玉樓 宴 罷(や)んで 酔いて 春の如し
姉妹 弟兄 皆 土(くに)を列ね
憐む可し 光彩の 門戸に生ずるを
遂に 天下の父母の心をして
男を生むを重んぜずして 女を生むを重んぜ令(し)む

143:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:43:14 Urk0mX7Z
驪宮(りきゅう) 高き処の青雲に入り
仙楽 風に飄って 処々に聞こゆ
緩歌 謾舞 絲竹を凝らし
尽日 君王 看れども足らず
漁陽の*兵鼓 地を動(どよ)もして来る
驚破す 霓裳羽衣の曲
九重の城闕 煙塵生じ
千乗万騎 西南に行く
翠華 搖々として 行きて 復た止る
西 都門を出づること 百余里
六軍 発せず 奈何(いかん)ともする無く
宛転(えんてん)たる蛾眉 馬前に死す
花鈿 地に委して 人の收むる無く
翠翹 金雀 玉掻頭
君王 面を掩いて 救い得ず
回り看れば 血涙 相い和して流る

*兵…本当は鼓の下に卑と言う字です

144:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:43:34 Urk0mX7Z
黄埃 散漫として 風 蕭索
雲棧 ?紆(えいう)して 剣閣に登る
峨嵋山下 人の行くこと少(まれ)に
旌旗 光 無くして 日色 薄し
蜀江は 水 碧にして 蜀山は青く
聖主 朝々 暮々の情
行宮(あんぐう)に 月を見れば 心を傷ましむるの色あり
夜雨に 鈴を聞けば 腸断の声
天 旋り 地 転じて 龍馭を迴(めぐ)らす
此に到りて 躊躇して 去ること能わず
馬嵬坡(ばかいは)の下 泥土の中
玉顏を見ず 空しく死せし処
君臣 相い顧えりみて 尽く衣を霑(うるお)す

145:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:44:05 Urk0mX7Z
東 都門を望みて 馬に信(まか)せて帰る
帰り来たれば 池苑 皆 旧に依る
太液の芙蓉 未央(びおう)の柳
芙蓉は面の如く 柳は眉の如し
此に対して 如何ぞ 涙 垂れざらん
春風 桃李 花 開く日
秋雨 梧桐 葉 落つる時
西宮の南苑 秋草多く
落葉 階に滿ちて 紅(くれない)掃(はら)わず
*梨園の 子弟 白髮 新たに
*椒房(しょうぼう)の 阿監 青娥 老いたり
夕殿 螢 飛びて 思い悄然(しょうぜん)たり
孤燈 挑(か)き尽くして 未だ眠りを成さず
遅々たる鐘鼓 初めて長き夜
耿々たる星河 曙(あけ)んと欲するの天
鴛鴦の瓦 冷にして 霜華重く
翡翠の衾 寒くして 誰与(だれと)共にかせん
悠々たる生死 別れて年を経
魂魄 曾て来(きた)りて 夢にも入らず

*梨園…音楽の教坊
*椒房(しょうぼう)の 阿監…皇后に仕える女官の取締役

146:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:44:31 Urk0mX7Z
臨?(りんきょう)の道士 鴻都(こうと)の客
能く 精誠を以って 魂魄を致(まね)く
君王の 輾転の思いに感ずる為に
遂に 方士をして 殷勤に覓め 教えむ
空を排し 気を馭して 奔ること電の如く
天に升り 地に入りて 之を求むること遍し
上は 碧落を窮め 下は黄泉
両処 茫々として 皆 見えず
忽ち聞く 海上に 仙山有ると
山は 虚無縹緲(ひょうびょう)の間に在り
樓閣 玲瓏として 五雲起り
其の中 綽約として 仙子多し
中に 一人有り 字(あざな)は太真
雪膚 花貌 參差として 是(これ)なり

147:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:44:55 Urk0mX7Z
金闕の西廂に 玉?を叩き
転じて 小玉をして 双成に 報ぜ教ん
聞く道(なら)く 漢家 天子の使いと
九華帳裡 夢魂 驚く
衣を攬(と)り 枕を推して 起って徘徊す
珠箔 銀屏 ??(いり)として 開く
雲鬢 半ば偏りて 新たに 睡りより覚め
花冠 整わずして 堂を下りて来たる
風は 仙袂を吹きて 飄々として挙がり
猶も 霓裳 羽衣の舞に似たり
玉容 寂寞として 涙 闌干
梨花 一枝 春 雨を帯ぶ
情を含み 睇を凝らして 君王に謝す
一別 音容 両つながら 渺茫(びょうぼう)たり
昭陽殿(しょうようでん)裡 恩愛 絶え
蓬莱宮(ほうらいきゅう)中 日月 長し
頭を回らし 下 人寰の処を望めば
長安を見ず 塵霧を見る

148:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:45:23 Urk0mX7Z
唯だ 旧物を將(も)って 深情を表す
鈿合 金釵 寄せ將ちて 去らしむ
釵は 一股を留め 合は 一扇
釵は 黄金を擘ち 合は鈿を分つ
但だ 心をして 金鈿の堅きに 似せ教(し)めれば
天上 人間 會(かなら)ず 相ひ見(まみ)えん
別れに臨みて 殷勤に 重ねて詞(ことば)を寄す
詞中 誓い有り 両心のみ知る
七月七日 長生殿
夜半 人 無く 私語せし時
「天に在りては 願わくは 比翼の鳥と作(な)り
 地に在りては 願わくは 連理の枝と為(な)らん」
天は長く 地は久しきも 時有りて尽く
此の恨は 綿々として 尽くる期 無からん

149:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:50:06 Urk0mX7Z
(^^;) えとですね、訳に移りますけど、真面目な方や、長恨歌を愛してお出での方は
この次より8レスを見ないで下さい

変訳 ちょwwwwwww GONE かwwwwwww?! になってますから

宜しくお願いします

150:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:50:36 Urk0mX7Z
皇帝は思った「大美人が欲しーーーっ!」
金掛けて 手間隙掛けても 見付かんない
そん時 楊家のお嬢が 宮廷デビュー
世間知らずの 深窓お嬢
だけど 天然色っぽい
当然 皇帝「待ってた、ホイ!」
チョット流し目 むっちゃエロイ!
他の妃嬪たちの色気も駄目ぽ
春寒い頃 皇帝同伴 華清温泉
すべすべお肌が いっそうすべすべ
ぐったりしてるのを メイドが起こしたけど なんかエッチ…
ヲイヲイ 皇帝(おっさん) 最初っからヤリ過ぎだよぉw

151:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:51:07 Urk0mX7Z
流行の髪にしっかりメイク 金のアクセがセレブじゃん
B・Rはゴージャス&ヌクヌク 寒さなんて なにそれー?
夜じゅう セクロスしてるから 朝が起きられないんだじょ
だーら 皇帝さん 朝の会議は全スルー
イイコトも宴会も 一人でするから めっちゃビジー
春のピクニックのお供も 毎晩のお勤めも独占しちゃう
皇帝のハレムには 綺麗なおねーさんが3000人
みんなに行ってたチョビ愛を 楊貴妃独りが完全ゲット
AAA御殿でお洒落して うっふん パパぁ早く来てン…
ハイソな所でパーティするでそ 後は酔ってて ヘケヘケなのよ
兄弟姉妹はみんな出世 金持ち 土地持ち 名誉持ち
いいよねえ バックが皇帝だもん
帝国中の親たちが心に決めた
出世出来ない跡継ぎよりも 妾でもいい玉の輿

152:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:52:17 Urk0mX7Z
高く聳える驪山の離宮
世間を離れて ひたすら雅な音楽三昧
ゆっくり ゆったり パラダイス
贅沢慣れした皇帝でさえ これにはうっとり
だけど 遊んでる間に 兵乱勃発
仙人の歌も天女の舞いも んなコトやってる場合じゃない
首都は間もなく 敵の手に落ち
官軍は 皇帝奉じ 都を離れて西南へ
ガタゴト道を進んで行ったが やがて途中で自然と止まる
百里余りの恨み言(誰が為に…)
動かない軍を 再び動かす方法 それはたった一つだけ
艶やかな美女は 皇帝の前で死んで行った
花の簪 するりと抜けて もう誰の髪も飾らない
翡翠や黄金の櫛や笄も
その瞬間 顔を覆い 彼女の姿を見まいとする皇帝
何が天子 情け無さに絶望し 流す涙は血の涙

153:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:52:40 Urk0mX7Z
砂塵が舞い飛び 景色が霞む
参道は高く険しく 難所へ続く
峨嵋山の下は 行き交う人などほとんど無く
旗は萎れて 日も暗い そんな気がする
蜀の取り得は風光明媚
皇帝は 何かにつけ 楊貴妃を懐かしむ
仮宮で月を見れば ウルウルするし
雨の夜に鈴の音聞けば 思わずオヨヨ…と泣いてしまう
そのうちに 官賊形成逆転成って 皇帝都へリターンOK
だけど 途中で STOP WAIT MOMENT!
馬嵬坡の下 この土の中に
もう会えない 愛しい人が眠っているんだ
皇帝は貴妃を思って泣き 臣下はそんな皇帝に泣く

154:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:53:22 Urk0mX7Z
東に門が見えれば 馬は勝手にそっちへ走る
戻ってみれば 池や庭は昔のまま
太液池の芙蓉 未央宮の柳
芙蓉の花は貴妃の顔のよう 柳は貴妃の眉のよう
これを見て 涙無しにいられるものか
春にいろんな花が咲く頃
秋に木の葉が落ちる頃
西宮の南苑には たくさんの秋草
主無き館の入り口は その紅葉で埋まっている
梨園の音学生も 爺いになって
阿監もすっかり婆あになった
夕方 ふわりとホタルが飛べば 何やら心寂しくなる
眠れない皇帝の 手元の灯りが点いたまま
時を告げる鐘の音に 夜の長さを 初めて知った
煌く星空が やがて夜明けになって行く
オシドリの瓦は 冷たい霜で覆われて
翡翠の布団は 独りで寝るには寒過ぎる
この世とあの世は遠いと言うが
あれ以来 貴妃の魂 とんとご無沙汰 何故に

155:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:53:44 Urk0mX7Z
臨?の道士が 鴻都に滞在していた
彼の得意は交霊術
眠れない皇帝の為に
どうぞ お願い HELP HE
OK 合点 お任せあれと 道士引き受け
天上天下 地上地下 変幻自在に駆け巡る
上は空の極みまで 下は黄泉まで
どちらも FARAWAY 終わりが見えない
誰かが言ってた 東海に仙人の住む山があるって
広い広い仙界にあるその山には
摩天楼が建ち並び 彩雲が湧いているって
そこには 優しく淑やかな仙人や仙女が住んでいる
その中にいる太真と言う仙女は
何もかも貴妃そっくりらしい

156:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:54:19 Urk0mX7Z
お城の西のお屋敷を訪れる
女中から奥へ報せが走る
天子様のお使いだそうです と
奥深い部屋でまどろんでいた太真は驚き
焦って飛び起き 身支度する
簾や屏風が次々開いて
髪がイマイチなってないまま
それでも冠乗っけて 太真が姿を現した
駆け寄る袂が舞い上がり
まるで 霓裳羽衣の舞を見るようだった
美しい顔が淋しさに曇り 涙が流れ落ちている
梨の花が雨に打たれているのを思わせる
太真は一生懸命訴えた
 「あれ以来 お会い出来ないんだけど
  昭陽殿でのラブラブな日も終わっちゃったし
  蓬莱宮でのバイバイからもずいぶんよね
  ここから人界見たいんだけど
  長安は見えなくって 霧しか見えない

157:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 18:54:59 Urk0mX7Z
  昔もらった物で 私のキモチ届けてくれない?
  螺鈿の小箱と黄金の簪 これでよろ!
  簪は足から片っぽ 小箱は身の方
  簪は黄金で 小箱は螺鈿よ
  二人の心がこんな風にガチだったら
  どっかできっと会える筈」
帰り際の道士に 彼女はもう少し言葉を託した
 「詞の中に誓いがあるの 二人だけしか知らない事よ
  七月七日に 長生殿で
  二人っきりでお話したの
  『天に生まれたら比翼の鳥になりましょう
   地に生まれたら連理の枝となりましょう』って
  天地の寿命は長いけど いつか終わりの日が来るわ
  だけどこの愛は ずっとずっと 永遠なの」

158:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:01:20 Urk0mX7Z
( ̄▽ ̄)凸 さて、あれだけでは本当に叱られるかもしれません

もうちっと小マシな訳も載せておきます
でわ

159:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:01:36 Urk0mX7Z
  『長恨歌』  by白居易

玄宗は 帝国に相応しき絶世の美女を望んだ
天下に勅令(ふれ)は回ったが 時は虚しく流れ流れ
そして 楊家から 一人の娘が宮中へ上がる
世間を知らず 世間も知らない 深窓の令嬢
しかし 天与の美貌は忽ち皆に知れ渡り
玄宗の目にも留まって ある朝 貴妃に
目を動かし 微笑むだけで 溢れ出る艶麗さ
それには 六つの後宮の誰一人とて敵わない
早春の頃 華清宮の湯泉へ供を命じられた貴妃
滑らかな湯が 更に滑らかな彼女の肌を磨き上げる
恥じらいながら倒れ伏す彼女を 侍女がそっと助け起こす
これが 玄宗から改めて愛された時のワンシーン

160:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:01:55 Urk0mX7Z
ふんわり結った髪と 華やぐ顔の間で 黄金の髪飾りが揺れる
虹色の絹の帳の内側は暖かで 春の夜寒を寄せ付けない
夜更けの戯れ 明けの眠り そして目覚めは昼近く
玄宗は 朝議に出られない
貴妃は 玄宗の歓心を買い 宴会の場に侍り続ける
季節の宴も 閨での愛も 今や貴妃一人のもの
後宮の選りすぐられた佳人や麗人 その数およそ三千人
彼女らへの寵愛を 貴妃は全て奪ってしまった
豪華な館の中で装い 艶かしく夜伽を務め
贅沢な高殿の宴が済めば 酔って心地良い眠りに落ちる
貴妃のお陰で 兄弟姉妹は出世し それぞれ国を賜った
ああ羨ましいねえ 家の中の太陽で 戸口や窓まで眩しいよ
とうとう 世間の親たちは考えを変え
男児を尊重しないで 女児を有り難がるようになった

161:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:02:17 Urk0mX7Z
驪宮は雲に届かんばかりの高さに聳え
そこから 妙なる調べが風に乗り 四方八方へ流れて行く
ゆっくりと歌い ゆったりと舞い 技を極めた楽曲は
贅沢に慣れた玄宗でさえ 飽きの来ないものばかり
そこに安禄山の乱が起き 兵火が漁陽から迫る
驚いて 伶人も舞手も楽を捨て 皆一斉に逃げ出した
壮大な王城も 豊かな都も 全て戦塵に包まれる
玄宗は多くの車と騎馬に守られ 西南の蜀を目指し落ちて行く
力なくはためく天子の旗 ゆるゆる進む軍団
(誰の為に、こんな…何故、俺達がこんな目に…)
怨嗟が兵士の足を止めた
都の西 城門よリ百里余りの 馬嵬での事
皆の怒りは貴妃へ向かい 玄宗ですら止められない
眉の美しい麗人は 玄宗の目の前で 二度と帰らぬ人となった
髪から滑り落ちた螺鈿の櫛を 形見とて拾う者なく
翡翠の簪 黄金の孔雀の髪飾り 玉の笄さえそのままに
愛人の命乞いさえ出来ぬ男は その瞬間 顔を覆った
窺い見れば 悲と哀と 綯い交ぜの血涙が頬を伝っている

162:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:02:38 Urk0mX7Z
黄塵が広く舞い散り 風は物寂しげに吹くばかり
二剣に続く 九十九折れの桟道を登り 蜀に入る
峨嵋山麓に広がる蜀は 人の出入りが少ない田舎
帝王旗には輝きがなく 心なしか日輪も色褪せて見える
しかし 蜀の自然は豊かで 江は清く 山は緑に恵まれる
そんな中 玄宗は朝な夕なに 貴妃を懐かしむ
仮御所で 月を見れば いつかの記憶に心を傷め
夜雨の鈴を降るような音に 死にたいほど切なくなる
やがて 時運が廻り 都へ戻れる日がやって来た
だが 途中で玄宗はためらい 進めなくなる
この馬嵬の坡の下 泥土の中に 貴妃がいるから
最後に顔を見る事も無く 貴妃は虚しくここで死んだ
滂沱の涙を流す君主に 家臣も思わずほろりとする

163:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:03:03 Urk0mX7Z
東に城門が見えれば 馬でさえ自然にそちらへ向かう
戻ってみれば 庭も池も みな昔のまま
太液池の芙蓉の花 未央宮の柳
芙蓉も 柳も 全て貴妃の笑顔を偲ばせる
どうして涙無しにいられよう
春の風に 桃や李(すもも)の花が開く日
秋の雨に 梧(あおぎり)や桐の葉が落ちる時
西宮の南の御苑には 秋草が多く生い茂る
しかし 紅葉は入り口に満ちたまま
梨園の学生も すっかり白髪になり
阿監の臈長けた美貌も 今は昔
宵闇に ホタルが飛べば 思い出に胸が塞がれる
玄宗の寝所の灯りは 何時まで経っても点っている
時を告げる鐘の数に 初めて夜の長さを知る
天に輝く星々が 夜明けの光に消え行く頃
鴛鴦の対の瓦は 一面の霜で冷たく
翡翠の夜具も冷々と 侘しさを分かち合う者もない
既に遠く生死を隔て 幾年もが過ぎ去ったが
貴妃の魂魄は 夢にも現れない

164:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:03:22 Urk0mX7Z
臨?の道士が 鴻都(長安)に滞在していた
彼は精魂を傾け 魂を招致することが出来ると言う
家臣達は あれ以来 安らかに眠れぬ主君の為に
遂に 方士に 貴妃の霊魂を探すように頼み込んだ
空を飛び 気を御して 稲妻のように駆け回り
天に昇り 地に潜り 貴妃を探して 遍く世界を廻る
上は天の極みまで 下は黄泉の底まで
どちらも果てしなく広がり 全て見渡す事は難しい
そんな時 東海に仙山があると 話に聞いた
それは 遥かに遠い仙界にあり
高殿は輝くばかりに美しく 五色の雲が湧き出ずる
そこは 優しく淑やかな仙人・仙女たちの住まう所
その中の一人 太真という字の者は
雪の膚も花の顔も まさに楊貴妃そっくり

165:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:03:43 Urk0mX7Z
立派な城門の西側の お屋敷の御門を叩くと
女中から奥女中へ 順々に来訪が取り次がれる
皇帝からの使者と言う報せに
幾重もの美しい帳の中で 夢見ていた魂は驚いた
着物を引寄せ 枕を押し退け 急いで身形を整える
幾重もの簾や屏風が 次々中から開かれた
髷が幾らか偏っているのは 慌てて昼寝から覚めた所為
飾りの美しい冠も少し歪んだまま 太真が奥から姿を現す
仙女の袂が風に煽られ ひらひら舞い上がる
その姿は 死しても尚 霓裳羽衣の舞を見るようだ
玉のように美しいが寂しげな面を 涙が止めどなく滴り落ちる
ちょうど 一輪の梨の花が 春の雨に打たれているように
太真は思いを込め 玄宗への無沙汰を謝した
 「あれ以来 お声もお姿も拝見いたしません
  昭陽殿でのご寵愛も 絶えて無くなってしまい
  蓬莱宮でお別れしてより 長い月日が流れました
  いくらここから人間世界を眺めても
  長安を見ることは出来ず ただ塵や霧が見えるだけです

166:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 19:04:28 Urk0mX7Z
  昔頂いた物で この深い思いを伝えましょう
  螺鈿の小箱と黄金の簪を 送り届けて下さい
  簪は足から裂いて片側を残し 小箱は蓋の側を残します
  簪は黄金を裂き 小箱は螺鈿を分けます
  二人の心が これら金鈿のように堅ければ
  天上界か人間界で 必ずお会い出来ましょう」
別れに臨み 太真は道士に 鄭重にもう一言 言葉を託した
 「その詞の中に誓いがあります 二人だけしか知りません
  七月七日 長生殿にて
  夜半 周りに誰もいなくなった時 二人だけでお話致しました
  『天にあっては比翼の鳥となりましょう
   地にあっては連理の枝となりましょう』と
  天は悠長で地は久遠ですが いつかは時の尽きる事もあるでしょう
  ですが この愛情は 細く長く 永遠に尽きる事が無いでしょう」

167:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/17 21:53:05 Urk0mX7Z
余談ですが、楊貴妃は梨の木の下で、高力士の手によって37年の生涯を閉じたと
されています

168:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/22 21:11:15 E96G1Iay
沖縄はもう梅雨明けだそうですよ
一足早く夏ですね
「夏の海は静かなり」と言う事で、古来、大陸と沖縄の間の往来は夏が多かったとか

なので、今夜は沖縄を詠んだ詩を選んでみました

  『送人之官外島』 by阮超叙

 六月 南風 君を送らんと欲す
 岐(ワカ)れに臨みて 人語 那んぞ聞くに堪えん
 扁舟(ヘンシュウ) 明日 千余里
 首(コウベ)を回(メグ)らすも 中山 只白雲に(あり)

※中山:沖縄本島の事

169:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/06/22 21:14:05 E96G1Iay
六月の初夏の風の中 あなたを見送りに行く
あなたとの別れを惜しむみんなの言葉を聞きたくない
寂しさが一層募るから
この小さな船は 明日はずっと遠くに行ってしまうけれど
振り返ってごらん 島はきっと白雲に包まれているだろう
私があなたを想う気持ちで 島を隠してしまうから


これはストレートに訳しても、そう変わりはありません
こんな具合です

六月 南風が吹く中で 君を見送りに行く
別れの時に臨んで 人々が餞(はなむけ)の言葉を贈っているが
それを聞いていると 物悲しい気持ちになる
この小船は 明日にはもう千余里を進んでいる
その時 船の上から振り返っても こちらはきっと白雲の中だろう

170:名無氏物語
07/07/01 02:50:10 vz1j+x8n
嬌として華清の浴後の姿に似たり
断腸の人は立つ夕陽の時
前身の薄命誰に憑りて訴えん
今日紅妝自ら持さず
傍砌墻に依りて寂莫を憐れみ
啼烟泣露臙脂に滴る
多情なるは本より是深宮の種
仍ち秋風に向かいて所思を繋ぐ

171:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/07/01 14:54:06 jsnk2VGc
>>170
いらっしゃいませ、ようこそですよ

素敵な詩ですが、私は題名も作者も存じません
宜しければ、教えてやって下さいませ

……と言いつつ、勝手に訳してみましたよ

その姿は 華清で湯浴みした楊貴妃のように艶かしいが
日暮れ時 彼女は大きな悲しみを抱えて立ち尽くす
儚った前世の事を 誰に依って訴えようか
今日は華やかな化粧をしなかった
傍らの垣根に近寄り もの寂しさに絶えられず
迸る泣き声と 涙が化粧に滴り落ちる
移り気なのは 最初からこの世界の慣わし
だから 別れに臨んで 愛しい人の事を思う


なんだか、色町の遊女さんを詠んだ詩のようになってしまいましたが(^^;)

えー、啼烟と言う言葉がわかりませんでしたので、勝手に啼咽としました
and 4節目で「本日スッピン」と言いながら、6節目「化粧の上に涙が滴る」って、あなた、
それ思い切り矛盾してるではねーですか!と思いましたので、前者を異訳してます

172:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/07/01 15:01:58 jsnk2VGc
さて、今日はもうひとつ、長恨歌&季節に因んでホタルの出て来る詩をお届けしましょう

  『玉階怨』  by謝?

夕殿 珠簾を下し
流螢飛びて 復た息(イコ)う
長夜 羅衣を縫い
君を思う事 ここに何ぞ 極(キワ)まらん

※作者の名前は 月偏に兆と言う字です


普通に訳せば、こんな風です

夕方の宮殿では、玉で作ったスダレが下され
表を飛び交うホタルが、時々そこにとまったりする
夜もすがら あなたの薄帛の衣を縫っている
あなたを思う気持ちは いつか終わる時があるのだろうか


ふふふ、拙訳ではこんな感じです

宵闇がしっとり辺りを包む頃
宮殿のあちこちに、目隠しの玉(ギョク)の簾がかけられる
そぞろなる宮女達の 胸から上がる恋の蛍が今宵も飛び交い
恋人のいる房の簾をそっと潜る
私はと言えば 夜更けまで あなたの夏の衣装を仕立てている
(あなたを思う心の蛍を じっと胸にとまらせたまま)

173:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/07/01 15:02:55 jsnk2VGc
さて、今日はもうひとつ、長恨歌&季節に因んでホタルの出て来る詩をお届けしましょう

  『玉階怨』  by謝?

夕殿 珠簾を下し
流螢飛びて 復た息(イコ)う
長夜 羅衣を縫い
君を思う事 ここに何ぞ 極(キワ)まらん

※作者の名前は 月偏に兆と言う字です


普通に訳せば、こんな風です

夕方の宮殿では、玉で作ったスダレが下され
表を飛び交うホタルが、時々そこにとまったりする
夜もすがら あなたの薄帛の衣を縫っている
あなたを思う気持ちは いつか終わる時があるのだろうか


ふふふ、拙訳ではこんな感じです

宵闇がしっとり辺りを包む頃
宮殿のあちこちに、目隠しの玉(ギョク)の簾がかけられる
そぞろなる宮女達の 胸から上がる恋の蛍が今宵も飛び交い
恋人のいる房の簾をそっと潜る
私はと言えば 夜更けまで あなたの夏の衣装を仕立てている
(あなたを思う心の蛍を じっと胸にとまらせたまま)

174:名無氏物語
07/07/01 17:56:49 vz1j+x8n
>>171
お見事。
作者は断腸亭主人の父、永井久一郎、題は『秋海棠です。』

175:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/07/01 18:10:59 jsnk2VGc
>>174
ありがとうございます
他人様からものを教えて頂けるのは、本当に嬉しい事です
しっかり記録しておきますね

176:名無氏物語
07/07/02 22:17:50 +eytxqOL
これは稀に見る良スレ
こんなめちゃくちゃ読みやすい訳は初めて見た

177:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/07/03 22:06:53 jmFbWYUk
>>176
なんと暖かいお言葉でしょう
私め、思わず感涙に咽んでしまいましたよ
ええ、本当に

では、今宵はもうひとつの『玉階怨』をお届けしましょう


  『玉階怨』  by李白

玉階に 白露生じ
夜 久しくして 羅襪を侵す
却下す 水精(すいしょう)の簾
玲瓏 秋月を望む

178:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/07/03 22:09:43 jmFbWYUk
後宮の立派な階段(きざはし)に 夜露が降りて来た
皇帝の御成を待つ夜は長く 夜露が薄絹の足袋に浸みて来る
諦めて部屋に入り 水晶の簾を下ろし
秋の澄んだ月光が玉(ぎょく)のように光り輝くのを眺めている


さあ、イジりましょうかねえ♪

こんな夜には あなたが来るかと
そっと部屋を抜け出してみる
表へ続く階段で あなたの影を待ちわびて
長い夜
舞い降りたのは露 薄絹の足袋を濡らす
今宵は縁なし ため息ひとつ
部屋の窓辺に腰を降ろし
透き通る水晶の簾をすり抜ける
冷たい玉のような月光を ぼんやり眺めて
あなたを思う 秋の夜

179:名無氏物語
07/07/04 00:33:55 tA9KuU5r
>>178
いいですねぇ。スレ主さん艶っぽいの絶品ですね。

万事 心を傷むること目前にあり
一身憔悴して花に対して眠る
黄金用い尽して歌舞を教え
他人に留与して少年を楽しましむ

病中遺妓 司空曙

180:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/07/04 22:14:45 AIzD6KMK
>>179
いえいえ、単に妄想が逞しいだけの事です、ハイ

ああ、これはまた、哀しい詩ですね
病を得て落魄し、家妓を売り払わねばならないとは
しかも、題中に「遺」とありますから、作者の葬式費用の足しにと手放さなければならなかった
のでしょうか

恥かしながら、ちょっと変訳してみますね


この世の全て 何もかも 見ても聞いても 哀しくなるのだ
打ちひしがれたこの身は 愛しいおまえを前にしながら
もはや 目を閉ざす事しか 出来ないのだよ
おまえに 惜しみなく 金銭を注ぎ込み
ようやく 一流の技女に 育てあげたものを
むざむざ 世間知らずの若造に 譲らねばならないとは

如何でしょうか?

181:ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
07/07/04 22:25:28 AIzD6KMK
さて、それでは今夜は司馬つながりでお届けしましょうか

  『白頭吟』  by卓文君

皚(がい)たること 山上の雪の 如く
皎(こう)たること 雲間の月の若(ごと)し
聞く 君 両意有りと
故(ことさら)に来たりて 相(あ)い決絶す
今日 斗酒の会 明旦 溝水の頭(ほとり)
御溝の上に小渫(しょうちょう)すれば 溝水は東西に流る
淒々(せいせい) 復(ま)た淒々たるも
嫁娶(かしゅ)に 啼(な)くを須(もち)いんや
願わくは 一心の人を得て
白頭まで 相(あ)い離れざらん
竹竿 何ぞ 嫋々(じょうじょう)たる
魚尾 何ぞ 篩々(しし)たる
男児は 意気を重んず
何ぞ 錢刀を用いるを為(な)さんや

※卓文君:前漢時代、臨の大富豪である卓王孫の娘。司馬相如と恋に落ちて
   駆け落ちをする。二人は「家居徒四壁立」という中で苦労を共にし、やがて
   妻の父から財産を分けてもらい、それで成功の基礎が出来たのだが、
   晩年、茂陵に住んだ時、夫の司馬相如が妾を持ったので、卓文君は
   この詩を以て夫を諫め、詰め寄った。

※錢刀:昔、お金が刀の形をしていた事から、銭貨をこのように表現した。

※小渫:渫の字は、本当は足偏です


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