07/12/14 20:29:19 NRJgdWDU
梓弓は「引く」の枕詞ですね。私という意味ではないのです。
枕詞について簡単に説明すると(知ってたらごめんなさい)
昔の和歌や文章に見られる特殊な言葉で、それ自体は意味を持たないのですが
主に和歌の語調を整えたり、下の単語を就職したりします。
そして、その枕詞のイメージに連なる特定の言葉を引き出す、という役割をします。
上の説明だとぴんと来ないかもしれないのですが、
「梓弓」は引っ張って使うものですよね。梓弓という単語を聞くと
頭の中に「引っ張られている弓」というイメージが浮かぶ。その状態のまま
引く、と言う単語を下にもっていくことで、頭の中に「引く」ということの
映像的なイメージを残したまま下の和歌のことばを鑑賞することができる、
という役割があるのです。他に、「梓弓」という
枕詞の下にもっていけることばとして「はる」「音」「いる」等があります。
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紛らわしいことですが、二番目の歌にでてくる「梓弓」は、
三番目の歌の「梓弓」とはちがって枕詞ではありません。
二番目の歌「梓弓ま弓槻弓年をへてわがせしがごとうるはしみせよ」
は、「梓弓、ま弓、槻弓、(そんな数々ある弓のように)数多い年月が流れてきた間、
私が(貴方を)愛し続けてきたように、貴方も新しい相手を愛し、幸せになってください」
と言うような訳です。