09/12/11 22:43:03 8+CqL9gd
古代人と現代人では、生活様式、思考様式に天地雲泥の差がある。あちらでの常識がこちらでは非常識、こちらでの常識があちらでの非常識だ。
大雑把に言って、古代人はアニミズム的、現代人はマテリアリズム的に世界を生き、物事を考えている。
古代人が自分たちにとってごく自然な発想で作った象形文字を現代人に説明しようとすると、この基本的なギャップが大きすぎてなかなかうまく理解を得られない。
そこで「現代で言えば我々が冠婚葬祭祈願祝賀などの『儀式』のときにやっている、あのようなやり方や発想ですよ。」と説明すれば、現代人にもそこそこピンと来て、大体のところは分かってもらえる。
白川の記述を読むときには説明上の「方法論的儀式説」を含んでいる点を加減・斟酌する必要がある。
白川漢字学はおどろおどろしいだの、何でも儀式に結びつけるだの、と難ずる前に、古代人と現代人の生きていた世界と世界観の大きなギャップを自覚すべきだ。