02/12/16 19:02
くずし字読解には最終的に高校の古文と漢文の知識が必要になるけれど,
くずし字自体の攻略の前提として,(1)明治以前は仮名と字母漢字の
対応が一対一ではなかったので,複数の字母漢字のくずしパターンを記憶
しなくてはいけない(「は」ー>者,盤,八,...)
(参考サイト:URLリンク(www.toride.com))
(2) 公文書や日記・書簡の文体は漢文体の特定表現パターンを多用していることが多いので,
このパターンを早く覚える必要がある,
の2点が重要かな.
御家流が主流になった江戸時代以降のつづけ字等を趣味で読みたい
のであれば,吉田豊著「寺子式古文書手習い」柏書房1998年刊が
戦後生まれの素人にとっては一番取っ付き易いのでは.
明治維新以後の資料から始めて,江戸の資料に戻るというアプローチは
大学関係者が出してきた古文書解読本では見られなかったもので新鮮.
仮名中心の江戸の草双紙系を読みたいのであれば,同著者の「江戸かな
古文書入門」(柏書房)がお勧め.
前述の公文書・書簡の漢文体の表現パターンを手っ取り早く身につけるには,
林英夫監修「おさらい古文書の基礎 文例と語彙」(柏書房)がベストと思う.
解読全般のハンドブックとしては,この本のネタ本と思われる同監修者の
「新編古文書解読字典」(柏書房)がコンパクトで使いやすい.(つづく)