10/02/09 10:32:51 Qb9aZkWn0
清朝復辟は溥儀にとっては念願でした。辛亥革命によって事実上滅亡した清王朝を
復権するのが溥儀の願いでした。袁世凱によって退位させられてからは、事実上、
紫禁城に幽閉された彼にとっては、関東軍の持ちかけた提案に一縷の望みを託したのも
宜成らざる選択と言って良かったのだろうと思います。彼にとっては皇帝の地位を
剥奪されて幽閉されている状況よりは、傀儡とはいえ関東軍に擁立されて復辟する
可能性に賭けたということです。そういう意味では利害は一致していました。
しかし、世間知らずの溥儀に比べれば関東軍は余りに狡猾すぎました。
溥儀にとっては納得が出来ない執政の地位で独立宣言をすることとなり、
加えて板垣征四郎(本庄繁司令官の代理)によって国家中枢は関東軍が握るという
密約を飲まされます。密約は以下の通りです。
・国防、治安維持は関東軍に一任する。経費は満洲国が負担
・国防上必要な限り、鉄道、港湾、航空等の管理、新設は全て日本の機関委任を承認する
・日本人の名望ある者を満洲国参議に任じ、中央、地方官署の管理にも日本人を任用し、
選任、解任は関東軍司令官の同意を要件とする
この密約によって、満州国の実権は関東軍が握ったも同然となりました。