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沖縄タイムス 2007年11月28日(水) 朝刊 26面
「日本で良かった」7割/林琉大准教授 県民1200人調査
「琉球処分」から百三十年がたつのを前に、県民の七割が「日本の一部になって良かった」
と考えていることが、琉球大学の林泉忠(リム・チュアンティオン)准教授の「沖縄住民の
アイデンティティー調査2007」で分かった。一方、教科書検定問題の影響もあり、自分を
「日本人」ではなく「沖縄人」と考える人は前年に比べてさらに増え、四割になった。
千二百一人に電話調査した。
一八七九年の廃藩置県で琉球藩に代わって沖縄県が置かれ、日本の一部になったことに
ついて、「良かった」は63・0%、「どちらかというと良かった」は8・4%。「どちらかというと」を
合わせた「良くなかった」は計7・6%だった。
政府が認めた場合に独立すべきかを聞いたところ、「独立すべきでない」が64・7%で、
「独立すべき」の20・6%を大きく上回った。
一方、政府の沖縄に対する姿勢は「友好的ではない」が43・8%で、「どちらかというと友好的
ではない」10・9%と合わせ、過半数が不満を示した。「友好的」は15・3%、「どちらかというと
友好的」は6・7%にとどまった。
自分が「沖縄人」だと考える人は41・6%で、「沖縄人で日本人」は29・7%、「日本人」は
25・5%。調査は三年連続で実施されており、「沖縄人」との回答は前年より11・3ポイント増えた。
別の設問で、「沖縄人意識」がさらに高まる要因は「『集団自決』などの歴史観が政府と
食い違った場合」が38・9%で最多だった。林准教授は「歴史認識で政府と衝突し、怒りや
不満が高まった。日本人との距離を感じ、沖縄人意識を強めた」と分析。
同時に、独立志向の低さは一貫しているとし、「沖縄への愛着は強いが、日本の一部であると
いう複合的アイデンティティーが固まってきている。日本は『悪くても親』なのではないか」と指摘した。
このほか、道州制については「沖縄だけで州とする」が52・1%だったが、「九州と一緒になる」も
35・7%あった。
「独立すべきでない」と答えた人に理由を尋ねた設問では、「自立する能力がない」が二年連続で
増えて43・4%に。「政治的・経済的・社会的状況や歴史的経験が本土と同じ」は逆に減り続け、
14・9%になった。
調査は台湾、香港、マカオを含めた四地域でそれぞれ千人規模で実施された。年明けに報告書を
まとめる予定。
URLリンク(www.okinawatimes.co.jp)