10/05/06 08:21:01 LW3JTH/+0
>>731
>憲法改正がないのは端的にいって、両院の三分の二を獲るのが不可能に近いから。
近代憲法が何故硬性であるかを理解していませんね。日本国憲法に限らず、
どの国の憲法も簡単に変えられないよう、硬性憲法としての仕組みを兼ね備えています。
憲法は授権規範ですから、一時的な時勢や統治権力が恣意的に変えることの無いように
また、特定の勢力によって変えられ無いようにするための硬性であることが求められ、
最大多数の国民が必要とする場合以外は変えられないというのが普通です。
>また成立時においては国民の意思を無視した
これは制憲史を知らないのか、明らかな間違いですね。現行憲法成立にあたっては、
憲法改正の為の総選挙を行い、そこで選ばれた議員によって国会で改正についての審議を
しています。この時にも九条に関する自衛権が議論され、戦争行為と自衛行為を考慮して
修正が加えられて現在の条項に決まりました。国民の意思を無視したのはむしろ当時の
日本政府の方です。国民の意見や意志を一切考慮せずに進められた政府案(松本案)について、
GHQ側は「政府案とGHQ案の両者を公開し、国民に選ばせてはどうか?」という提案を
しています。その結果、当時の日本政府は両者を国民が選ぶならGHQが選ばれると判断して、
そのGHQの提案を受けいれずに政府案を自ら引っ込めました。
>また文言を忠実に解釈すると自衛隊は否定されるという問題がある。
こうした問題は考慮する必要はないでしょう。自衛隊組織に違憲性がないのは判例通説で
既に決着がついています。問題が起きるとすれば自衛隊組織が違憲かどうかではなく、
その運用が九条に抵触するかどうかの場合に限られます。例えば自衛隊の海外派遣の際に
派遣目的が「国際紛争の解決」に関わるかどうかといったケースですね。