06/10/20 01:18:21
シベリア抑留 風化させるな
体験画家、東京で作品展
「極寒の埋葬」など88点 日経06・10・18 夕刊
シベリアに抑留された経験を描く東京都在住の画家の作品展が20日まで都内で開かれている。
戦友の遺体を埋葬するなど過酷な体験を表現した油彩画を紹介し、同じ抑留体験者が生死の
境界線を生きた状況を説明している。19日で日ソ共同宣言から50年。関係者は「歴史の節目に
もう一度戦争の悲惨さと向き合ってほしい」と話す。
東京都大田区の勇崎作衛さん(83)。1943年に徴兵され、旧満州(中国東北部)陸軍病院に
衛生兵として勤務。終戦後、バイカル湖近くのウランデ収容所などで3年間の過酷な抑留生活を
経験したという。
51年から記憶を頼りにスケッチや油絵を描き始め、65歳から本格的な創作をスタート。93年に
初画集を出版した。絵画展は凍土に戦友を埋める様子を描いた「極寒の埋葬」など88点を展示。
ソ連兵に射殺される戦友の姿や極寒の地での労働状況が描かれた作品が並ぶ。
全身が衰弱し、病室で寝たきりの生活を送るが、「シベリアの体験を多くの人に伝えたいと絵筆
を取ったが、まだ描き切れていない。健康が回復したらまた絵を描きたい」と話す。
会場には同じ抑留体験者の平塚光雄さん(79)らが語り部となり、当時を“再現”。
(略
主催する「千代田・人権ネットワーク」代表の有光健さん(55)は「シベリア抑留は大規模な人権侵害
にもかかわらず、国内の認識は低い。日ソ共同宣言から50年を機会にもう一度、戦争の実態を
考えてもらいたいと話している。
絵画展「日ソ共同宣言50年・シベリア抑留絵画展-勇崎作衛のシベリア抑留体験」は千代田区立
九段社会教育会館・九段ギャラリーで。入場無料。