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『諸君!』7月号に、平山新本の書評が載っていた。
「推理と実証の高度な結実」(東谷暁)という表題で、この本の魅力として、
1)厳密な実証性:ワンダーベルトの内容をつきとめたこと、
2)最新研究のフォロー:明治14年政変を議院内閣制との連関から論じている、
3)大胆な推理:石河の全集改竄の動機を、徳富蘇峰へのライバル意識から説明する、
の3点をあげている。
欠点としては、福沢の愛国心が何に基づくか、についての説明が弱い、
居あい抜きに熱中するなど、人間味あふれるエピソードが不足している、などを指摘している。
「いずれにせよ、本書は、これから福澤諭吉を論じようとする者にとって、無視できない基本文献となるだけでなく、
幕末・維新の歴史ファンにとっても、興味の尽きない必読書となっていくだろう。」
高い評価だが、東谷氏は平山氏のお仲間であるからして、いささかは割り引いて聞く必要があるかもね。