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噂の真相 二〇〇四年 三月号
●レポーター 上原善広
そして、最後に触れておきたいのは、ある部落出身者が皇族に嫁いでいるという
事実だ。皇族と部落が重なっている、まさに日本最大のタブーなので、報道された
ことは一度もない。ある関係者からその確証を得て今回、わたしは実地にその部落
を見に行ってきた。
何見かということもここでは控えたい。そこは、今は廃れてしまったが、元は有名な
城下町。その人の住んでいた場所の裏にひっそりと、忘れ去られたように白山神社
が建っている。その周囲はボロボロのバラック様の建物ばかりで、N ・Aの出身地よ
りも田舎だけに、そのみすぼらしさはよく目立つ。もちろん未指定地区になっている。
ここの出身者が皇族に嫁いだということで、地区指定を見送られたのだ。そのため、
行政による環境改善はほとんど入っていない。かつてMと呼ばれたこの地区は、そ
の昔は湿地帯で住みにくいところだったと、明治以前の記録に残されている。
この地域の城跡はここから数キロは離れたところにあるのだが、実際に城があった
頃は、この部落の近くまで勢力があった。城の追手門跡は、実にこの部落の至近に
設置されている。長吏や牢番を代々担当してきたのは部落民だったため、昔の城の
近くには被差別部落が置かれることが多かったのだ。
つまり、問題は、皇族ですら、部落民を身内として受け入れているという事実がある
ということだ。だからこの点に関しては、意外に皇族の方が進歩的といえるのかもしれ
ない。この結婚に関しては、当の皇族本人が強く希望したため、宮内庁をはじめとする
周囲も押し切られたとされている。まさに快挙といえる話ではないか。