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『日本史から見た日本人・昭和編』 渡部昇一著(祥伝社)
しかし、日本に残留したコリア人は、一人残らず一時的には金持ちになったといえよう。
戦災を受けた駅の近所の土地を不法占拠するのが、その始まりであった。闇の物資を
さばくには、警察の手の出しにくい人たちのほうが便利という面もあったろう。
(中略)
そのようなことは、そのうち治安の恢復、警察力の恢復でなくなる。再び貧しくなった
コリア人も、相当いるであろう。しかし、その頃に蓄えた経済力を元にして、正業を発展させ、
今では立派な経済人になっている人もいる。一時は銀座をはじめとする目抜きの土地が
すべて「第三国人」の手になるのではないか、と心配された時期もあったのである。今でも、
在日コリア人の平均財産は、日本人の平均財産より少ないということはないであろう。