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2.ヒエログリフ解読
ギリシャ文字の読解によってロゼッタストーンの内容が解り、しかもヒエログリフとデモティックの部分も
同様の内容が書かれていると類推されたので、当初、ヒエログリフの解読も時間の問題かと思われました。
しかし、実際にヒエログリフが解読されるまでは20年の期間を要し、天才シャンポリオンの登場を待つ必要がありました。
■シャンポリオン
ヒエログリフは、1822年に若きフランスの学者ジャン・フランソワ・シャンポリオンによって解読さることになります。
彼の発想の優れた点は「ヒエログリフはある時は表意文字として、またある時は表音文字として働く」と考えた点と、
「古代エジプト語の流れを汲むコプト語を学ぶことがヒエログリフ解読に役立つ」と考えた点にありました。
■「プトレマイオス王」と「クレオパトラ女王」
シャンポリオンはまず、ヒエログリフの表音文字としての機能から解読を始めました。
彼は先人の研究から、カルトゥーシュ(楕円形の枠)に囲まれた部分が支配者の名前を表わすと考え、
ロゼッタストーンから「プトレマイオス王」のヒエログリフ
URLリンク(www.lares.dti.ne.jp)
を得ました。
また、フィラエ島のオベリスク(頂上にピラミッド型のキャップを持つ柱)に刻まれた「クレオパトラ女王」のヒエログリフ
URLリンク(www.lares.dti.ne.jp)
も同時に入手することができました
(オベリスクの台座にギリシャ文字でクレオパトラの名があったのでそのように同定された)。
この2つのカルトゥーシュを比べると
URLリンク(www.lares.dti.ne.jp)
URLリンク(www.lares.dti.ne.jp)
および
URLリンク(www.lares.dti.ne.jp)
の文字が共通して見られるのが解ります。その位置と、プトレマイオス(PTOLMIIS)とクレオパトラ(KLIOPADRA)の位置から、
それぞれが「P」、「O」、「L」および「I」に等しい音価を持つことをシャンポリオンは見出したのです。
URLリンク(www.lares.dti.ne.jp)
図:「プトレマイオス王」と「クレオパトラ女王」の比較