06/09/24 10:57:32
英語が国際語的な様相を持ち始めたのは、大英帝国の影響もあるが、かなり
初期の段階から、かなりいろいろな文化、民族、宗教集団の間で使われるよう
になったことも大きいだろう。案外、そこにはインド人が英語を使うように
なったことが影響しているかもしれない。あるいは、現在において、英語と
いうものが、アメリカとイギリス系の二つに分かれていて、異なる表現が
存在して、統一されていないことも国際語として重要なことだろう。
すでに、アメリカ式とイギリス式のふたつのスタンダードが存在する中では、
インド英語という三つめのスタンダードが登場してもかまわないわけだし、
シンガポール英語のようなものが存在するのもかまわない。
ただ、いろいろな英語が、ほとんどすべて、ある程度共通の基盤となる
語彙を共有し、共通の基盤となる文法を共有しているかぎりにおいて、
相互の意志疎通は可能だし、その共通部分をもってベースとなるスタン
ダードが存在することが重要だ。国際交流が進むにつれて、このベース
は共通の複数のスタンダードが存在することはますます顕著になるだろう。
英語自体が、民族のアイデンティティを主張することに使える一方で、
共通の基盤も共有しているからだ。
その意味において、日本人なら、日本語英語をしゃべろうよという議論
にもつながる。日本語的な要素をふんだんに取り込んだ、日本人固有の
英語というものが可能だ。発音も特殊でいい。最低限他の英語との基盤
を共有していれば良いわけだ。国際交流が進めば、最低限の基盤をそれ
ほど壊さずに、保持できるだろう。そして、その中から、逆に超標準と
しての国際英語が生まれていくこともあるだろう。今のところ国際標準
はアメリカ英語的、あるいはイギリス英語的であろうが、今後はさらに、
異なる要素を取り込んで、英語を話す人にとってうけいれられやすい
スタンダードが現れるようになるだろうし、すでにそういう方向にむか
っているように思う。