06/09/03 11:17:15
>>194
クレオール言語に普遍的に存在する特徴がだいたい30項目ほどあって、
その項目をいくつ持っているか、で言語のクレオール度が分かる。
それによると、英語クレオールの中でも、比較的聞いたかぎりでは英語に
近いハワイクレオールの場合でも、24項目程度合致する。だいたい、真性
のクレオールは、この30項目のうちの20項目前後を持っている。
で、クレオールではなくても、日本語は奈良時代の古典語では15項目、
現代日本語でも10項目以上もっていて、クレオール的だ。
一方英語は、4項目程度しかないから、クレオール的ではない。
ジャマイカなどのカリブ海の場合は、どこでも標準英語が公用語であり、
学校教育にも使われているが、人々の会話はクレオールであり、教育水準
や、あるいは話す人の緊密度などで、かなり真性のクレオールから、標準
英語までの間に数々の中間変種が存在する。日本語の方言と標準語との
関係に近いわけだ。
英語が、当初のアングロ・サクソン語から古ノース語との混合(デーン人
=ヴァイキングの襲来)、そして、フランス系ノルマン人の支配による
フランス語の浸透、下層言語に押しやられた状況での文法的な崩壊など、
を経て近代英語になっていった様子というのは、一般的なクレオール化
とは全く違うということをまずはっきりさせる。そして、これらに関わった
のは、すべて、文法的に類似した言語の範囲内であったことも事実だ。
ただ、英国植民地の発展と奴隷貿易などにより多くのクレオール英語を
産みだした。そしてそれらのクレオール英語が話されている地域では、
標準英語とクレオール英語の間に中間変種が存在する。
クレオール英語は明らかに標準英語よりは学びやすく、わかりやすい。
よって、非ネイティブは標準英語を学ぶつもりであっても、ちょっとし
たきっかけで、クレオール的表現の含まれる英語を学ぶような結果に
なるだろう。それが国際英語の中の要素として取り込まれるならば、
標準的な国際英語が、今後クレオール的特徴を多く含むような結果になる
ではないか、と思う。