02/09/09 16:48
「白人」「黒人」という言い方はしても「黄人」(おうじん?、こうじん?)という言い方はしない。
「黄色人種」という学術用語めいた言葉でお茶をにごしている。
これは日本人が自分たちの肌の色を「黄色」と表現することに何か釈然としないものを感じているからではないだろうか?
もちろん色の名前と実際の色彩が一致しない例はたくさんある。例えば緑色の菜っ葉を「青菜」と呼ぶように。
それと同じく、白人の肌の色も無論「まっ白」ではないし、黒人も「まっ黒」ではない。
だが、これらはいわば慣用的表現であり、色彩表現の正確さを狙ってつけられた言葉ではない。
だから、欧米人がアジア人などの肌の色を英語などで「黄色」と表現しても、それはそれで彼らの勝手である。
問題は、日本人の肌の色を黄色と表現する感覚が、当の日本人自身にないことである。
むしろ「肌が黄色い」と表現するときは「黄疸」のような病気の症状であろう。
表現するとしたら「あの人は『色白』だ」とか、「日焼けして『黒く』なった」とか、
白と黒を両極端とするが、その中間に「黄色」はなかったと思う。
おそらく明治期に英語の「イエロー」をそのまま翻訳してしまったのではなかろうか?
以来日本人は自分の肌の色を黄色だと思い込もうと努力している。