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>>575
私が所有するメキシコ湾の小さな一部がある。海から、あるいは海岸越しに目をやる
と、古い8ミリ映画のようにこの20年間が何度も何度も浮かび上がるのが見える。私
は16で、夕暮れのベンチに腰掛けて詩を書いている。黄色いボートに乗って塩辛い海
に浮かんでいる。水際に座って色とりどりの貝殻を集めている。私は大学生で、赤ワ
イン色の髪の毛がきらめいている。私は仕事を持っていて、出世のことや請求書の支
払いのことを考えている。私は太っている、痩せている。私の髪は長く、短く、また長く
なる。私は楽しく、悲しい。年を取っていき、成長していく。両親と私がノースカロライナ
からフロリダのセントピーターズバーグへと引っ越してきたのは、私がちょうど高校の
最終学年を始めようという時だった。住み慣れた土地を離れるには難しい年頃だ。私は
生まれてからずっとノースカロライナに住んでいた。けれども水辺は大好きだったから、
フロリダは住むのに悪くない場所に思えた。Eighth Avenue のつきあたりある私の特別
なビーチを最初にどうやって選んだのかは思い出せない。しかし一度選んだあとは、
決して他と替えはしなかった。ほとんど毎日のようにそこで泳ぎ、日光浴をした。日が
沈むのを眺めた。人生について考えた。大学時代の週末の夜には友達と一緒にこの
ビーチにたむろし、音楽を奏でたりただ波の音に聞き入ったりした。