09/04/09 05:07:51
教科書ガイドに書けなくなった。
>>719
私はあの夏の夜を記憶している。そんな考えが私の胸に迫った夜のことを。
月はないが、晴れた夜だった。友人とともに、私は島の平坦な場所へと
出かけた。そこは湾にほぼ囲まれていた。そこでは、地平線は空間の端に
ある遠くの縁だった。我々は空と闇の中に煌く数百の星々を見上げた。
その夜はたいそう静かだったので、ブイが湾の入り江の向こう側で揺らめ
いている音が聞こえた。一二度、誰かが遠くの岸で話す声が、鮮明な空気
に乗って届いた。少しばかりの明りが、小屋の中で灯った。それ以外に、
他の人間を思い出させるものはなかった。仲間と私は、星々とともにいた
だけだった。私には、星々がこれほど美しくみえたことはなかった。
空一杯の天の川、明るく、くっきり際立っている星座の形状、地平線の上
すぐで瞬いている惑星。
一二度、流星が地球の大気圏に入って燃え進んだ。
そのとき、私の心に浮かんだ。もしこれが再び見ることができない光景の
1つだと我々が知るならば、あるいはただの100年間でも、あるいは
人生時間で一回でさえも、この小さな平坦な島は、確かに好奇心旺盛な
見物人で満員になることは確実であろうと。
しかし、流れ星がどの年でも多くの夜に見られるならば、住民は恐らく、
頭上に存在する、かけがえのない美を考えることはないであろう。
いつでも見られると思うことは、その美をそれにふさわしい価値で
評価する本当の機会を奪うだろう。