09/01/23 01:20:47
>>598
この拘束力はしかし、すべての判例において逆らえないものだったわけではない。
英国の裁判の圧倒的多数における国内最高の控訴裁判所―貴族院―は自らが
下した過去の判断に疑問を投げかけることを許さないという判決を過去百年のあいだに
一度ならず下している。将来貴族院が、自らの判断に絶対的な拘束力を持たせるこの
ような考え方から外れることはなさそうである。貴族院の下に位置する英国のすべての
裁判所は貴族院の判断に絶対的に拘束される。同様に貴族院の一つ下にある控訴院の
判決もまた、すべての下級裁判所とって、また控訴院自身にとってすら、拘束力をもつ
言明となる。しかしながら控訴院の判断が、以前に判断されたことを明らかに忘れた上で
下されたために、下級裁判所によってすら従われなかったという判例がひとつふたつ存在する。